「能火野人 佐藤春夫」発刊

1月20日、辻本・佐藤春夫記念館館長の本が刊行されました。ブログに掲載された内容に大幅加筆したものとなっています。仮事務所での販売予定は今のところありません。ぜひ書店等でお求めください。

「能火野人」とは春夫晩年の号。熊野の地で培った反骨精神の原点を辿り、個として自立し文学世界を確立してゆく過程を追ったもの。

書名: 近代文学研究叢刊77 「能火野人 佐藤春夫」
「のうかやじん」は「くまのびと」の謂いなり
著者:辻本 雄一
出版年月日 2025/01/20
ISBN 9784757611085
判型・ページ数 A5・400ページ

【内容】「能火野人」とは、佐藤春夫晩年の号であり、土地の歴史や文化に根差した「熊野人」を強く意識した号である。熊野の地で培った春夫の〈反骨精神〉の原点は、中学時代の三年次の落第、最終学年の講演会飛び入り演説での波紋、さらに中学ストライキに至る経過他にも窺えるが、その春夫が当時最先端の「自然主義文学」に共鳴し文学者として自立してゆく過程を追う。また上京後の「大逆事件」の衝撃、それは父豊太郎をも巻き込んで、その後の父子関係をも束縛してゆくことを指摘。父親の春夫に与えた影響の大きさ、懸泉堂の人脈への気づきの重要さと、多くの人達との交流が、春夫の〈視界〉をさらに押し拡げ、批評精神を醸成してゆく。昭和初期の文化状況は、〈春夫文学〉の純粋性の担保を揺るがすものになってゆき、春夫も危機感を募らせてゆく。

【著者紹介】
辻本雄一(つじもとゆういち)
佐藤春夫記念館館長
1945年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学第一文学部国文科卒業
和歌山県立学校に勤務、新宮市の「みくまの養護学校」校長を最後に定年退職
1989年新宮市の佐藤春夫記念館開館に伴い、展示計画から係わり、同記念会の理事を歴任、2007年9月から館長

著書に『増補版 熊野・新宮の「大逆事件」前後』(論創社 2024年1月)、監修・執筆本に『佐藤春夫読本』(勉誠出版 2015年10月)。
共著に『南紀と熊野古道』(吉川弘文館 2003年)、『『改造』直筆原稿の研究』(雄松堂出版 2007年)、『伊勢志摩と近代文学』(和泉書院 2009年)、『大逆事件と大石誠之助』(現代書館 2011年)、『海の熊野』(森話社2011年)、『〈異〉なる関西』(田畑書店 2018年)など。
(出典:和泉書院)

 

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