「春夫詩句を拾う!!」(9)

昨秋より熊野新聞に、そしてその後、佐藤春夫記念館ブログに掲載中の、辻本館長のブログ「春夫詩句を拾う!!」を、許可を得て、当熊野エクスプレスにても連載することになりました。
どうぞお楽しみください。
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国の掟(おきて)をよそにして
国の都にわが吹かす煙草(たばこ)
おもしろやそのけむり、

(一九十一年四月「小曲二章・煙草」)

「小曲二章」が載った雑誌「スバル」の同じ号には、「街上夜曲(がいじょうやきょく)」と題して、多くの同人達が東京の街の風景を描き出している。なかで春夫は、「号外のベルやかましく、/ 電燈の下のマントの二人づれ、/ ―十二人とも殺されたね。/ うん・・・・・(ママ)深川にしようか浅草にしようか。」を書いていて、その緊迫感は、他の者の作品と比べて群を抜いている。
「国の掟」とは、ここでは単に法律の意で、法律違反をしてまで吸う未成年者の喫煙ということだろうが、その背景には「掟」のもつ社会的な圧迫とともに、あくまで都で「吹かす」、孤立感をも際立たせてくれている。

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