新語・難語~エッジAI

AIが、囲碁の世界チャンピオンに勝ったというニュースはもう何年前だったか忘れましたが、ChatGPTの登場で再び脚光を浴びています。そのAIがさらに大きな一歩を踏み出し、その進歩は私たちの暮らしに大きな変化をもたらすという話があります。

クラウドAIからエッジAIへ
AIの処理や推論をクラウド(データセンター)上で行う技術をクラウドAIと言います。データはエンドユーザーのデバイスからクラウドへ送信され、クラウド上の大規模なコンピューターリソースで処理されます。

クラウドAIの利点は、高い計算能力と大容量のデータ処理が可能であることです。また、クラウド上のAIは定期的にトレーニングや更新が行われるため、常に最新のモデルやアルゴリズムが利用できます。クラウドAIは、一つの処理が複数のデバイスで共有されるため、共有リソースの効率的な利用も可能です。

一方、エッジAIは、デバイスやセンサーなどのエッジでAIの処理や推論を行う技術です。データは現地で処理され、結果が必要な場所やデバイスに直接送信されます。エッジAIの利点は、リアルタイムの応答や高速な処理が可能であることです。また、データのセキュリティやプライバシーが確保されます。ネットワークの遅延や帯域幅の制約により、クラウドにデータを送信する場合に生じる問題も回避することができます。

両者の比較においては、利用環境やニーズによって適切な選択が必要です。クラウドAIは、スケーラビリティと柔軟性が高く、大量のデータや高性能な処理を必要とする場合に適しています。エッジAIは、リアルタイムでの処理や低レイテンシが必要な場合や、データのセキュリティやプライバシーの重要性が高い場合に適しています。

今後、クラウドAIとエッジAIは、組み合わせたハイブリッドなソリューションの開発が進むことが予想されます。クラウドとエッジの組み合わせにより、効率的なリソース利用と高速な処理が実現され、様々な分野でさらなる進化が期待されています。

エッジAIは、以下のような場面で特に有効です。
1. リアルタイムの判断や応答が必要な場面: エッジAIは、データをリモートサーバーに送信せずにデバイス自体で処理できます。そのため、タイムクリティカルなアプリケーションやIoTデバイスへの組み込みに最適です。

2. ネットワーク接続が制限されている場面: エッジAIはデバイス内で動作するので、ネットワーク接続が整っていない、または帯域幅が制限されている環境でも安定して動作します。

3. ユーザーのプライバシーの確保が必要な場面: エッジAIは、データがデバイス内で処理されるため、ユーザーの個人情報や機密情報を外部に送信する必要がありません。そのため、プライバシーの確保が重要なアプリケーションに適しています。

4. 大量のデータを処理する必要がある場面: エッジAIは、デバイス内での処理が可能なため、リモートサーバーへのデータ転送やレイテンシの問題を回避できます。これにより、大量のデータを高速かつ効率的に処理することができます。

エッジAIは、上記のような利点を持ちながらも、リソース制約や制約された環境への適応が必要です。各シナリオに最適なAIソリューションを選択することが重要です。

専門用語が多いのでわかりにくいかもしれません。最もわかりやすい実例を一つ上げるとすれば、次のような場合が考えられます。
今後、車はガソリン車からEVへ急速に変わっていくでしょう。エッジAIが車に搭載されていれば、ネット環境がない(悪い)場合でもその能力を発揮することが出来るという訳です。

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