我がらの新宮弁講座⑯~健康編

ここは南紀某所。「熊野診療所」改め「くまのクリニック」は今日も忙しい。

患者「先生、どうも身体ゃかいだりぃて(だるくて)・・。はくら(日射病)したんやろか?。
日がな一日、ひなた(日光のあたる所)ぃ出たぁたさかよ」

先生「そりゃ、がいわりぃのうー(具合が悪いね)。どぇどぇ(どれどれ)」
-と、ひたのさき(額)に手をあてる-

患者「先生の手ゃ、ひやこい(つめたい)のー」

先生「ちょっと、胸めくってみんし(衣服をたくり上げること)」

-聴診器をあてる-

患者「くつばいよ(くすばい・こそばい=くすぐったいこと)」

先生「ウーン、疲れただけやの。放っといても、きずかないワ(大丈夫)。エエもん食べて、よう休まんし。ところでアンタ、   じばん(肌着)ゃ、かしま(表裏が逆)やデ」

-はい、次の人-

母親「うちの子、目こじき(ものもらい)出来て・・」

先生「どぃどぃ(どれどれ)」

母親「目ずりゃ(目のゴミ)、入ったのちゃんとせなんださかやろか?」

先生「関係ないのー。はい、これでエエやろ、もう、きづかないデ。ええ子やのう。
飴玉やるさか、こぶらんしヨ(口の中で舐めること)」

-その頃、待合室では子どもたちがほたえ(騒ぎ)はじめる-

婦長「これ、ちょっとアンタら!、らくさげない言うたら!(落ち着かない様子)。
みんな、づつない(気が重い・うっとうしい)んやさか、静かにしなーれ!!」

-次々と患者がやって来る-

患者「先生、かさぶつ(かさぶた)出来て・・」

先生「じゅうやく(どくだみ)もんで、貼っとこかいの。それでエエやろ」

患者「先生、さくばり(トゲ)ゃ刺さって、痛い痛い!」

先生「それくらい、自分で取らんし。地面に十字書いて、真ん中の土、刷り込んどい

たら治るワ」(おやおや乱暴な。でも一部に、こういう風習がありました)

-茶髪の若者がやって来た-

ヤンキー「先生、ぐり(リンパ球)ゃ痛い」(←おまえ、大王子のフィリンピンパブへ行ったんかい?)

コギャル「先生、まひげ(眉毛)剃ったら、悪りィ?」

ヤンキー「そっ歯(出っ歯)治らんかい?」

先生  「エエイ、じゃかましい!。その前に、その茶髪なんとかセー!。ウトいことばかり
言いくさって、てちくらわすドー!!(ぶっ飛ばすぞ)」

茶髪「ドヒャー、先生ゃ、アタマのぼせて(カッカして)来たド。逃げぇー!」

先生「婦長さん、もう今日はおこかいの(やめましょうか)。わしゃ、ちょっと、えらなって(疲れて)きたワ」

-先生もお疲れです・・-

次回は「仰天熊野語!!」です。

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