我がらの新宮弁講座㉚~付録 4

「我がらの新宮弁講座」の講師・城かず坊先生が、熊野エクスプレス22号で特集された「今年の収穫」に投稿された文を紹介します。ここにも、方言の話がたっぷり出てきて興味深い内容となっています。
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収穫・その1
新宮弁講師をハッている私としましては、やはり「方言の大海」にハマってしまったことが、一番の収穫です。熊野川沿いに育ちましたが、ごくごく地元の言葉と思っていたものが、熊野川沿いものかは、奥熊野から高野龍神、畿内を経て中国・四国・九州のみならず、岐阜・長野・伊豆諸島から佐渡に至るまで「全国展開」を見せていたことを発見してビックリ。以下の如くです。

かず坊の「方言トリビア・ベストテン」
1・「げー」と「くろにえる」が新宮と岐阜に(だけ)ある。
2・あいぶ(歩く)が伊豆諸島、伊豆半島にもあった。
3・うめる(風呂の湯をうすめる)と信州でも言う。長崎、福岡、広島では「うべる」、島根では「おべる」
という。
4・がらんぼ(河童)と似た、「がらっぱ」(河童)が鹿児島にあった。
5・佐渡でも「行ってくらんし」、「あののー」と言う。
6・伊豆諸島でも「売ってぇー」と言って、お店に入って行く。
7・おっさん(和尚さん)と静岡、鳥取でも言う。
8・たつ(戸を閉める)が山口・高知・徳島・静岡・茨城にもある。
9・おどろく(目が覚める)と広島、徳島でも言う。
10・きびしょ(急須)は全国的にあり、くちなわ(へび)も西日本全域にあるというのに熊野にはない。
(↑へえぇ、へえぇ、へえぇ!)

収穫・その2
少年野球の教え子が甲子園で4番!(わずか1年の在籍でしたが)。野球関係者にとって、「甲子園」は憧れの大ブランド。エルメスより上を行き、プロ野球より上を行く。しかも4番ですゾ!松井の「ヤンキースの4番」より嬉しかった(埼玉・聖望学園でした)。

収穫・その3
グフッ、ワイや、かず坊や。清原やないデ(急に大阪弁)。あんナー、「なれずし」造ったんや。家の周りに「しくしゃ(山しょうが)」ようけできてナ。こら、なんどせなアカン思て、やったんや。ほいで、食べてみたらヨー(急に新宮弁)。うまいんヤゲ、これが。イケるんやだヨ。これが、一番の収穫かも。

(2003年12月29日発行「熊野エクスプレス22号より転載)
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今回をもちまして、「我がらの新宮弁講座」が終了となります。新宮弁の深淵に迫る名講義は多くの読者の好評を得ました。
改めて、講師の城かず坊先生にお礼を申し上げます。一カ月間にわたる講座、ありがとうございました。

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