がんを考える㊶~乳がん 12(治療 – 薬物療法)

薬物療法には、以下のような目的があり、病期、リスクなどに応じて行われる。
①手術の前にがんを小さくする
②手術や他の治療を行ったあとにその効果を補う
③根治目的の手術が困難な進行がんや再発に対して、延命および生活の質を向上させる」

どのような薬物をどのように組み合わせて治療を行うかは、がんの広がりや性質、病理検査の結果などによって検討される。どの薬剤を使うかは「サブタイプ分類により、がん細胞の特性に合わせた薬物療法が選択される。

サブタイプ分類による術前・術後薬物療法選択
サブタイプ分類 選択される薬物療法
ルミナルA型 内分泌(ホルモン)療法、(化学療法)
ルミナルB型(HER2陰性) 内分泌(ホルモン)療法、(化学療法)
ルミナルB型(HER2陽性) 内分泌(ホルモン)療法、分子標的治療、化学療法
HER2型 分子標的治療、化学療法
トリプルネガティブ 化学療法

また、しこりの大きさやリンパ節転移の有無に加え、がん細胞の増殖に関わる要因から、再発の危険を予測することができる。そのため、再発の危険性が高い場合、より再発抑制効果の強い治療を行い、そのリスクの低減を図る。ルミナルA型は再発の危険性が低く、内分泌(ホルモン)療法の効果が高いため、化学療法をしなことが多くなっている。

薬物療法後の妊娠・出産について
乳がんの薬物療法後、多くの方で、抗がん剤治療に伴って卵巣機能が抑制され、月経がみられなくなる。乳がん専門医と生殖専門医の協働の下、治療後の出産の可能性を高めるためのさまざまな取り組みが進められている。将来出産を希望している場合には、まず、治療開始前にその希望を担当医に伝え、よく相談しておくことをおすすめします。

薬剤が高額であったり、投与期間が長かったりすることで、医療費が高額となる場合がある。治療の方針について担当医から話を聞いた上で、医療費に不安を感じた場合には、担当医や看護師、その他の医療スタッフなどに相談しましょう。がん相談支援センターでも、利用可能な高額医療費制度などを確認することができます。

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