がんを考える㊻~乳がん 17(転移)

転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って別の臓器に移動し、そこで次の病巣を形成することをいう。乳がんは、転移が早い時期から起こりやすいタイプである。つまり、手術で乳がんを取りきったようでも、その時点で検査では見つけることの困難ながん細胞が、すでに別の臓器に移動している場合がある。

乳がんが最初に転移しやすい臓器としては、腫瘍の近くにあるリンパ節や骨、皮膚がある。遠く離れた臓器では肺、肝臓、脳への転移が起こることもある。

肺や肝臓、脳などへの転移では、内分泌(ホルモン)療法や化学療法、分子標的治療などの薬部t療法を中心にして、なるべく進行を遅らせることや、がんによるつらい症状を和らげることが目標となる。

脳への転移に対しては放射線治療を組み合わせることもある。骨への転移があるときには、痛みや骨折をリスクを減らす目的で骨吸収抑制薬(骨を破壊する細胞の機能をを抑え、骨吸収を抑制する薬)が使われることがある。また、痛みの症状緩和のために手術や放射線治療を組み合わせることもある。

それぞれの患者によって転移の状態は異なるため、症状や体調あるいは希望に応じて治療やケアの方針を決めていくことになる。

 

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