特別な日~広島カープ・秋山翔吾

プロ野球観戦が好きでテレビをよく見る。試合結果のチェックは以前なら新聞と相場が決まっていたが、最近はスマホになった。それ用のアプリがちゃんとあり、毎日の結果だけではなく、今後の試合予定なども詳しく載っている。

新聞を見るのは以前より随分と少なくなったが、時間がたっぷリある時は政治経済を中心に全体をさらっと流し読みする。そんなある日のこと、熱戦を繰り広げるプロ野球の全試合結果がスラーっと並んで掲載されている中で、ちょっと異色の記事が目についた。

特別な日 背中で見せた 広島 秋山翔吾」と小見出しがある。続いて、「今季初め一番打者で出場し、チームに攻撃の流れを呼び込んだ。1打席目は四球を選び先制のホームを踏み、2打席目はレフト前ヒットを打ち今季初の盗塁も決め、3打席目は押し出しの四球」と全打席大活躍の説明が続く。

しかし、目を見張ったのは続いて書かれていた内容だった。「36歳の誕生日だったこの日、球場にひとり親家庭の13組30人を招待していた。西武時代の2015年から続けている取り組みだ。自身も小学6年生の時に父親を病気で亡くし、ひとり親家庭で育った。試合前には招待した子どもたちにサインをするなど交流会も行い、誕生日の祝福も受けた。

「こういう企画をしている以上、1軍でしっかりした姿を見せないと、自分にとっても、前向きにプラスになることと思っている」と臨んだ一戦だった。

感動して体が震えた。少し涙ぐみさえした。自分と同じように厳しい環境で育った子どもたちに、努力すれば望みは叶う(例え、叶わなくてもその努力はきっと報われる)ということを背中で見せたかったのだと思う。広島ファンではないが、一発で秋山ファンになった。

秋山本人は当然だが、この記事をここに書いた記者にも大きな拍手を送りたい。世知辛い世の中暗くなることが多いが、このような心温まる話を聞くと多くの人の心も豊かになる。裏金で私腹を肥やしている政治家たちに見習ってもらいたいものだ。

 

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