ブッシュドノエル

フランス語で「ビュッシュ・ド・ノエル」と表されるブッシュドノエル。まず見た目が他のケーキと比べて特徴的です。切り株を横に倒したような形は、「ブッシュドノエル」という名前に表現されています。

「ビュッシュ(ブッシュ)」は薪や木の切り株を意味し、「ノエル」はクリスマスという意味を持っています。直訳すると「クリスマスの切り株(薪)」といったところでしょうか。

ロールケーキにチョコレートなどのクリームで全体を覆い、フォークでひっかくようにして波型の筋を入れていきます。この筋は樹木の樹皮を表現しているといわれており、まさに名前通りの見た目です。

では、「ブッシュドノエルはなぜ切り株(薪)の形になったのか」や「なぜクリスマスに食べるようになったのか」といった疑問から、材料や作り方、近年のバリエーションまで紹介していきましょう。

19世紀後半にパリで誕生したといわれているブッシュドノエル。なぜこのような薪や樹木を模した形になったのでしょうか。そして、クリスマスに食べる理由についても気になります。

その理由には諸説あるようです。意味を知ることで、ブッシュドノエルの魅力がより一層際立つかもしれません。
ブッシュドノエル諸説その1
クリスマスといえばイエス・キリストの生誕を祝う「降誕祭」。人々はキリストの誕生を祝うために何日も夜通し暖炉に薪をくべ、燃やし続けたのだそうです。そのときに燃やし続けた薪に由来して、切り株の形が選ばれたという説が定番として語り継がれているようです。

ブッシュドノエル諸説その2
北欧ではクリスマスの時期になると、大きな丸太を何日もかけて焼き続ける儀式「ユール(冬至祭)」が行われます。これは「諸説その1」に登場したキリストの生誕を祝う儀式と同じものです。

燃やした丸太のことを「ユールログ」と呼び、ユールログの灰は厄除けになるといわれています。ユールログの灰が、クリスマスから先1年の間の厄除けとなる縁起をかついで、ブッシュドノエルはユールログ(丸太)をかたどったのだという説があるようです。

ブッシュドノエル諸説その3
北欧神話には、樫の木の薪を暖炉で燃やすことで、クリスマスから先1年の間「無病息災」で過ごせるという言い伝えがあります。

他にも灰を井戸に入れれば水質が、畑に入れれば土質が良くなるという言い伝えもあり、翌年の豊作祈願、健康を祝う縁起物としても語り継がれています。

このような古くから北欧に伝わる言い伝えを元にして、ブッシュドノエルは縁起の良いお菓子として、樫の木の薪の形にデザインされたのだそうです。

ブッシュドノエル諸説その4
諸説の中には、恋人のためにクリスマスプレゼントを買いたいのに、貧しくて買えなかった青年のエピソードもあります。貧しい中、恋人にせめて何か贈れたら…と思った青年は、束ねた薪を恋人に贈りました。このようなロマンチックなエピソードを元に、ブッシュドノエルを薪の形にしたという言い伝えもあるようです。

ご家族で、恋人同士で、また友人と一緒にそれぞれのクリスマスをお楽しみください。

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