高尾山体験記(3)薬王院

高尾山は、都心からも近く、手軽に自然を楽しめる山として、ハイキングやピクニック、パワースポット巡りなど、様々な楽しみ方ができる魅力的な山である。前回は、高尾山の登山ルートについてお知らせした。今回は、薬王院について紹介したい。

正式名称は「高尾山薬王院有喜寺(たかおさんやくおういんゆうきじ)」で、真言宗智山派の大本山。東京都八王子市の高尾山(標高599m)の中腹に位置し、関東屈指の霊山として知られている。

歴史的背景

天平16年(744)に、聖武天皇の勅命により行基菩薩が開山したと伝えられている。当初は薬師如来を本尊とする薬師信仰の寺院として始まった。

飯縄信仰の導入
永和年間(1375-1379)に、京都の醍醐寺から俊源大徳が入山し、飯縄大権現(いづなだいごんげん)を勧請した。これ以降、薬王院は飯縄信仰の中心地となり、修験道の霊場として発展していく。飯縄大権現は、天狗の姿をした守護神で、開運、厄除け、火防の神として崇敬されている。高尾山は天狗の霊山として知られ、境内には大小様々な天狗像がある。また、山岳信仰と仏教が融合した修験道の聖地として、現在も修行が行われている。

戦国時代の隆盛
北条氏や武田氏など戦国武将たちの庇護を受け、武運長久や戦勝祈願の霊場として栄えた。特に火防(ひぶせ)や災難除けの霊験が知られるようになる。

江戸時代
江戸幕府の保護を受け、庶民の間でも高尾山詣が盛んになった。江戸からの日帰り登山が可能な距離にあり、「江戸の裏鬼門」を守る霊山として信仰を集めた。

年間を通じて多くの参拝者や登山客が訪れ、初詣、節分会、火渡り祭などの行事が盛大に行われている。東京近郊の身近なパワースポットとして、また自然豊かな観光地としても人気である。

高尾山薬王院は1200年以上の歴史を持ち、日本の山岳信仰と仏教文化が融合した貴重な霊場として、現在も多くの人々の信仰を集めている。

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