2021-10-10 / 最終更新日時 : 2023-08-01 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「球花」 球花 松の花 初めから微小な球形をした粒の集まり 粟 の穂に似た黄色の穂 それが現われるのはいつだっ たか 裸木ばかりの冬の林に 高い松の木が傾いて 一本だけ立っていた 丘の上を歩きながらその木を 探して目が彷徨う 松毬 […]
2021-06-03 / 最終更新日時 : 2023-08-11 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「蔓の午後」 ようやく秋本番といった季節になりましたが、みなさま如何お過ごしでしょうか。秋と言えば読書の秋。新宮市熊野川町出身の詩人・荻悦子さんの詩の世界に浸ってみませんか? 昨年、出版されたばかりの詩集「「樫の火」(思潮社)の中の一 […]
2021-06-01 / 最終更新日時 : 2023-08-11 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「紫」 ようやく秋本番といった季節になりましたが、みなさま如何お過ごしでしょうか。秋と言えば読書の秋。新宮市熊野川町出身の詩人・荻悦子さんの詩の世界に浸ってみませんか? 昨年、出版されたばかりの詩集「「樫の火」(思潮社)の中の一 […]
2021-05-27 / 最終更新日時 : 2021-05-18 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「往還」 往還 気づかないふりをするのに 疲れた いや 飽きてしまった 不意打ちに会い (そうだったのか) 隠されていたことを (とうに気づいてはいたが) いまはっきりと受け止める アスファルトの広い道 交差点の中央が急に盛り上が […]
2021-05-25 / 最終更新日時 : 2021-05-18 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「影絵」 影絵 暮れかかるころ 真新しい教会の前を通った 教会の破風にはダビデの星が光っていたが 私はその先に用があるのだった 前方を男が歩いていた 男の右足の先に何か影があった 夕闇と見分けがつきにく […]
2021-05-24 / 最終更新日時 : 2023-08-11 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「水位」 ようやく秋本番といった季節になりましたが、みなさま如何お過ごしでしょうか。秋と言えば読書の秋。新宮市熊野川町出身の詩人・荻悦子さんの詩の世界に浸ってみませんか? 昨年、出版されたばかりの詩集「「樫の火」(思潮社)の中の一 […]
2021-05-21 / 最終更新日時 : 2021-05-18 Tony 荻悦子 荻悦子詩集[「樫の火」より~「振り子」 振り子 ステンレスの格子戸が降りてきて、ベルが鳴り終わ った 居合わせた人たちは動きようがない 廊下の片側に扉が並んでいる 扉はみな閉ざされて いる フロアから内階段を降りた 踊り場をひとつ 経ると またフロアがあった […]
2021-05-19 / 最終更新日時 : 2023-08-01 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「低く飛ぶ蝶」 低く飛ぶ蝶 狭い側溝の中で 薫色がちらちらした 小さな蝶 小刻みに飛行をくり返し 翅を閉じると 斑点のある灰褐色 側溝の上の生垣に白いアベリアが咲き 明日も低く飛ぶだろう しじみ蝶 黄昏の目で辺りを見ていま […]
2021-05-18 / 最終更新日時 : 2021-05-18 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「家」 家 両親はドーナツ型の家に住んでいる 数日経ってよ うやく気づいた 向い合わせに窓があり あまりに も明るい室内 両方の窓際にベンチが作り付けられ ている 私は何気なくテニスボールをベンチに置い た ボールは転がって 両 […]
2021-05-17 / 最終更新日時 : 2023-08-01 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」~「春の来方」 春の来方 何人目かの来訪者がくれたのはくすんだピンク色の 缶だった ピンクの缶には絵や文字がなくて 中に カードが入っていた カードには花を咲かせた木が 描かれていた 枝ごとに花の形が異なり 何の花と もつかない花が鈴な […]