高尾山体験記(9)奥の院

奥之院 不動堂の概要
​1. ご本尊と祀られているもの

  • 主尊: 不動明王
    • ​不動明王は、大日如来の化身とされ、一切の悪魔を降伏させ、迷いを断ち切る強力な仏様。
    • ​ここに祀られている木造不動明王及び二童子立像は、室町時代以前の作で、鎌倉仏の特徴を持つ優秀な作として東京都の有形文化財(彫刻)に指定されている。
  • 脇祀:
    • ​高尾山の開山とされる奈良時代の僧、行基菩薩(ぎょうきぼさつ)
    • ​高尾山の中興(再興)の祖とされる俊源大徳(しゅんげんだいとく)

​2. 歴史と建造物
創建: 奥之院不動堂の創建は、江戸時代初期の寛永年間(1624年-1644年)と推定されている。

  • 移築された建物: 元々は薬王院の中心部にあった堂宇(護摩堂)を、明治中期に現在の奥之院の場所に移築したものが不動堂とされている。
  • 文化財: 建物自体も**東京都指定有形文化財(建造物)**に指定されており、歴史的価値の高いもの。

3. ご利益
​不動明王を本尊とすることから、以下のようなご利益があるとされている。

  • 厄除け・災難消除(一切の悪を退ける力)
  • 煩悩打破
  • 心願成就
  • 病気平癒(古くから薬師如来信仰と結びついています)周辺の見どころ

​奥之院不動堂の周辺は、高尾山の信仰において重要な場所が集中している。

  • 富士浅間社(ふじせんげんしゃ)
    • ​不動堂のすぐ裏手に鎮座しており、富士浅間大菩薩(浅間大神/木花之佐久夜毘売命)を祀っている。
    • ​戦国時代、北条氏康により、富士山へ参拝できない人々のために勧請されたのが始まりで、高尾山と富士山信仰の深いつながりを示す場所である。
  • 修験根本道場跡
    • ​奥之院が位置する場所は、古くから修験道の山であった高尾山において、山伏たちが深山幽谷にこもって修行を行う根本道場の一つであったと伝えられている。

​奥之院は、薬王院の大本堂や御本社(飯縄権現堂)に比べて、より静かで厳かな雰囲気に包まれており、修験道の霊場としての高尾山の本質を感じられる場所である。

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