新宮城跡で高所作業訓練

12月26日、新宮城跡で、新宮市消防本部の職員らが石垣の清掃作業を実施した。作業は高所での活動を想定した訓練の一環として行われ、職員らは清掃活動を通して不測の事態に備える機会とした。消防訓練とお城の清掃を兼ねたもので素晴らしいアイデアだと思う。

同所での清掃を兼ねた訓練は昨年に引き続き2回目のこと。高所における作業技術の確認や、高度な安全管理体制を構築することを目的としており、新宮城跡の魅力を改めて広く発信する狙いもある。訓練には12人の職員らが屏風折れの約10メートルの石垣を中心に、天守台と本丸の石垣の清掃を展開した。鎌などを手に、ロープやはしごを使って除草などに汗を流した。消防署長は「清掃と魅力発信を兼ねた有意義な訓練ができた。市民や観光客など多くの人により美しくなった石垣を見てもらいたい。同訓練は今後も継続していきたい」と話した。

新宮城は1633年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873年の廃城令を受け、75年までに取り壊されている。新宮市は1980年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始した。2003年には城郭跡が国史跡指定を受け、17年には「続日本100名城」に選出されている。

生まれた時からそこにあるお城だが、市民は意外とその価値に気づいていない。近年になり、研究者らの手によってその価値を見直そうとする機運が盛り上がっているように思う。特に石垣については、全国の数ある城の中でも、「亀甲積」「算木積」「打込接」「切込接」など、石垣の美しさと当時の技術の高さをうかがい知ることができる珍しい城だそうだ。大阪城にも見られる天守台下帯曲輪の四つ連続の横矢掛け(屏風折れ)は、その防御力の高さを現在に伝えている。 

(参考:2023年12月27日付熊野新聞等)

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