ギリシャ神話「かに座」

「かに座」など、いくつかの神話に、最高神ゼウスの子であるヘラクレスが登場します。彼は、数々の敵に勝利した英雄です。第四回は、「かに座」です。
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最高神ゼウスは、人間の王女アルクメネとの間に、ヘラクレスという息子をもった。ゼウスの妻の女神ヘラは、夫が生ませた他人の子であるヘラクレスを憎み、生まれたばかりの彼に毒蛇をさし向けて殺そうとした。しかし、英雄の素質を持つヘラクレスは、素手で蛇を撃退してしまった。ヘラは、より一層彼を憎むようになっていった。

たくましく成長したヘラクレスは、命令で恐ろしい大蛇のヒュドラを退治することになった。ヘラクレスはヒュドラと死闘を繰り広げたが、なかなか決着がつかない。すると、女神ヘラは、下界に住む巨大な化け蟹に声を掛け「ヒュドラと協力してヘラクレスを倒しなさい」と使命を与えたのです。

戦場に来た化け蟹は、ヒュドラと戦いに集中しているヘラクレスに背後から忍び寄り、大きなハサミで彼の足を切り落とそうとした。その瞬間、何気なく後退したヘラクレスに踏みつぶされあえなく死んでしまう。ヘラクレスはそのことにまったく気づかないまま闘い続け、とうとうヒュドラにも勝利した。

ヘラは、そんな化け蟹を哀れに思い、ヘラクレスを苦しめたヒュドラとともに天に上げて、「かに座」と「うみへび座」とした。

 

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