秋の星座~みなみのうお座

みなみのうお座は、古代バビロニアに起源を持つと考えられている。古代バビロニアで、現在のみずがめ座の原型となったとされる「偉大なるもの」を意味する名を持つ「グラ (Gula)」の抱えた壺から流れる水に繋がる形で描かれた魚が、みなみのうお座の原型とされる。この「壺から流れる水に繋がる魚」の意匠は地中海沿岸にも伝わり、紀元前3世紀後半の古代ギリシャの天文学者エラトステネースの著書『カタステリスモイ 』や紀元前1世紀の古代ローマの著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文詩 (Poeticon Astronomicon)』でも、みなみのうお座はみずがめ座が注ぐ水を飲み込んでいるとされた。エラトステネース、ヒュギーヌス、ヒッパルコス、クラウディオス・プトレマイオスらは、いずれもこの星座には12個の星があるとしている。

神話
エラトステネースは、クニドスのクテーシアスの伝える話として、シリアの豊穣の女神デルケトー(アタルガティス(英語版)のギリシャ名)が、シリア北部のユーフラテス川近くの街ヒエラポリス・バンビュケ (Hierapolis Bambyce) にある湖に落ちた際に大きな魚に助けられた、という話を伝えている。またエラトステネースは、うお座の2匹の魚の親であるとした。このデルケトーが魚に助けられる伝承のほかに、みなみのうお座に関する伝承は特に伝わっていない。

星座名 みなみのうお座
学 名 Piscis Austrinus
主 星 全天21個の1等星の1つとされるα星のフォーマルハウト以外は全て4等星以下で、目立つ星雲・星団もない。
季 節 秋の星座(20時正中 10月中旬)

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