伊勢街道巡り旅37.~関宿

昨年始めた伊勢街道巡り旅の最初の訪問地は、桑名の七里の渡し跡であった。ここには、伊勢国の東の入口ということで「伊勢国一の鳥居」があった。その時、「一の鳥居」と呼ばれるところがもう一か所あると紹介されていたのが、「関宿東の鳥居」である。いずれ行くことになると思っていたが、今回それが実現した。

関宿は、東海道と伊勢別街道が交わる交通の要衝として栄えた、江戸時代の面影を色濃く残す宿場町である。

関宿の歴史的背景
◆ 東海道五十三次の47番目の宿場
関宿は、東海道五十三次のうち47番目の宿場町として整備された。京都と江戸を結ぶ大動脈に位置し、大名行列や伊勢参宮の旅人で大変な賑わいを見せたところだ。

◆ 伊勢別街道との分岐点
伊勢別街道は、東海道から分かれて伊勢神宮へ向かう街道であり、関宿は「お伊勢参り」の分岐点でもあった。江戸時代、「一生に一度はお伊勢参り」と言われ、多くの庶民がここを通過した。つまり、関宿は単なる宿場ではなく、信仰の旅の重要拠点でもあったのだ。

宿場町としての規模と特徴
関宿の町並みは東西約1.8kmと、日本でも宿場町として屈指の長さの景観を誇る現在は、国の重要な伝統的建造物群保存地区に選定されている。建物には、切妻・平入の町家建築、虫籠窓(むしこまど)、格子戸、卯建などがあり、電柱が目立たないように整備がされており、江戸時代にタイムスリップしたような景観が続いている。

関地蔵院 奈良時代創建と伝わる古刹。本尊の地蔵菩薩は「関の地蔵さん」として親しまれ、旅人の安全を見守ってきた。
境内には芭蕉の句碑もある。
旅籠玉屋
歴史資料館
江戸時代の旅籠を復元した施設。
宿泊文化や当時の旅人の暮らしを学べる。
関まちなみ
資料館
商家を活用した資料館で、宿場の商業・生活文化を紹介している。
関の戸
(銘菓)
関宿名物といえば関の戸。赤小豆こしあんを求肥で包み、和三盆をまぶした上品な和菓子。江戸時代から続く名物。


文化的背景

1.宿場文化の集積地
  本陣・脇本陣
  旅籠屋
  茶屋
  商家
  物流・情報・人の交流が集まる「情報都市」でもあった。
2.伊勢参宮ネットワーク
  関宿は、伊勢信仰と街道文化が融合する場所。「講」と呼ばれる参宮団体が通過し、庶民信仰の熱気が町に経済的活力を与えた。

3.防災都市としての構造
  関宿は火災対策として、卯建、防火壁、土蔵造りが多く見られる。宿場町は火事が最大の敵だった。

旅の楽しみ方のポイント
1.東海道と伊勢別街道の分岐点を探してみる
2.宿場の西(京側)と東(江戸側)の町並みの違いを見る
3.地蔵信仰と旅文化の関係を考える
4.和菓子を食べながら当時の旅人に思いを馳せる

まとめ
関宿は単なる「古い町並み」ではなく、東海道という国家的幹線道路であり、伊勢参宮という庶民信仰と繋がる伊勢別街道への起点であった。宿場経済や、旅文化が交差する所として江戸時代の縮図のような町を楽しむのがよいと思う。

 

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