新語・難語~秋波
「秋波」とは、もともと「美しい女性の涼しい目元」という意味だったのが、“関心を引こうとする、色っぽく媚びのある目つき”というようなだんだんと異性を意識したイメージに変わっていったと言われています。漢字にある秋や波、水のイメージはほとんど残っていません。
元々の意味から、女性が男性を見るときに使う言葉に思われがちですが、現在では性別に関わらず使われることが多くなっています。また、団体や国家に対しても使われることがあります。
「秋波」の語源は”秋の澄んだ波”という中国語
「秋波」はもともと中国語で、漢字の通り「秋ごろの澄んだ水の波」という意味でした。「夏が終わり、ひんやりした風が水面を揺らし波を起こしている」という、涼しくて趣深い景色を表現する言葉です。
「湖の秋波を少しでも綺麗に残すため、高性能なカメラに買い替えた」という文章だったら、水面の美しさを伝える表現として「秋波」が使われています。ただし、このような使い方はほとんどされないため、知っている人も少ないかもしれません。
「秋波」の読み方は”しゅうは”
「秋波」の読み方は“しゅうは”です。この読み方の場合、意味は先程ご紹介したように、「関心を引こうとする、色っぽく媚びのある目つき」のことです。
「秋波を送る」は相手の関心を引くこと
「秋波」を使った表現で頻繁に見られる慣用句が「秋波を送る」です。政治やビジネスシーンでは「自分たちの利益のために、相手の関心をひこうとする」という意味で使われます。この時は色っぽいイメージはありません。また、団体や国家に対しても使用できる表現です。
- A氏は〇〇党から秋波を送られたが、マニフェストに賛成できないと無所属を貫いた。
- 業務提携を目論む〇〇社は、□□社に秋波を送っている。
また、「異性に好かれようと媚びる」という意味でも「秋波を送る」が使われます。こちらはビジネスシーンよりも、日常生活の中で見られることが多いかもしれません。
- 好みの異性を見つけると、Bさんはすぐに秋波を送りだす。
「媚眼秋波」は美人の流し目のこと
「媚眼秋波(びがんしゅうは)」という四文字熟語は美人の媚びた流し目を表現しています。「媚眼」は漢字の通り「媚びた目つき」という意味です。
意味だけ見ると下心があることを指摘した熟語だと感じる人もいるかもしれません。しかし、艶がある美しい女性を褒める表現として、悪気無く使う人もいるようです。もしもあなたがこの言葉を言われたら、褒められたと受け取って問題ないことが多いでしょう。
秋波」の類語は”色目”
「秋波」と同じ”媚びのある色っぽい目つき”という意味の言葉に「色目」があります。主に「色目を使う」という形で使用します。「自分の利益のために相手に媚びる様子」「異性の気を引くそぶり」どちらも表現できます。そのため「秋波を送る」とほぼ同じ使い方ができます。「秋波を送る」では伝わらなそうな場合に、言い変える表現としても便利です。
「色目」は色合いや、着物の色の組み合わせにも使われる言葉です。「色っぽい目つき」とは意味が全く違うので、どちらの意味で使われているのかを文脈から判断することは難しくありません。
- 親しくなるチャンスだったので、隣の席のBさんに色目を使った。
- 着物で初詣をするために、正月らしい色目の帯を購入した。


