目からウロコ「ワインの謎解き」

田崎真也のソムリエ世界一受賞以来、日本に一大ワインブームが起こりました。当時、ブームにのって有名人によるいろいろな本が次々と出版されました。プロのソムリエから始まり、川島なお美や江川卓のようなタレント名を冠した本まで出版されました。興味本位で何でもいいからと冊数を重ねていきましたが、なかなかピンとくる本は見つかりませんでした。

そんな中、私の心をぐっと鷲づかみにする一冊を見つけました。それが、安間宏見著「ワインの謎解き」 でした。この本で腑に落ちたというか、まさに目からウロコの衝撃を受けてからは、もっとワインの世界に入ってみたくなりました。

蘊蓄を語ろうが語るまいが、要は、美味しく飲めればそれでいいのです。そして、自分に合ったワインを早く見つけるには先人の経験を役立てぬ手はないし、自分の好みとの違いも分かります。その意味ではこの本を見つけたことは最大の幸運でした。

原料である 葡萄の性質・性格はその土地の気候や土壌によって決まりますが、フランスはこの4つの代表的な性格を説明するのに丁度よい要素を全て(フランスの国土内に4つの地方で)持っていたのです。

ポイントを引用するとつぎのようになります。

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産地ごとの太陽エネルギーの「強さ」または「弱さ」と、それによる気温の変動の「激しさ」あるいは「穏やかさ」が葡萄の生成物の総量と種類を決め、ワインの 味を決定している。フランスの地図を思い浮かべて、まず、中ほどに横線を引く。線より上へ、つまり北へ行くほど日照は弱く太陽エネルギーが徐々に少なくな る。逆に、線より下へ、南へ行くほど日照は強く太陽エネルギーが徐々に多くなる。

次に、中ほどに縦に線を引く。線よ り左は海側(大西洋側)で、海に近いほど気温の変動が穏やかであり、反対に、右は山側(アルプス側)へ行くほど気温の変動は激しくなる。こうしてフランス では4つの代表的な葡萄ができ、それぞれの特徴を持ったワインができる。そして丁度うまい具合に代表的な4つの産地が分かれておさまっているのだ。

北海エリア-弱くて穏やかなワイン → ロワール
・北山エリア-弱いが激しいワイン  → ブルゴーニュ
・南海エリア-強いが穏やかなワイン → ボルドー
・南山エリア―強くて激しいワイン  → コートデユローヌ

また、一般的に北側と海側は白ワインをつくるのに適した地域で、南側と山側は赤ワインに向いた地域である。これは、白ワインには酸が必須で、赤ワインには タンニンが必須であることによる。酸は太陽エネルギーが多いとなくなってしまうし、タンニンは太陽エネルギーが少ないと作られない。

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まず、これだけ知っていればかなりのワイン通だと思われること請け合いです。

もうひとつ、ビールなどは別につまみがなくて、それだけ飲んで十分美味しい酒ですが、ワインは料理と併せて飲むのが一番というのが私の結論になりつつあります。それでも、まだまだわからないことばかり多く、ワインの奥深さにはなかなか辿り着けません。

次回からは、それぞれの地方の特徴を解説しましょう・・・。

ヤタガラス

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