伊勢街道巡り旅 実録篇6.~猿田彦神社
外宮前のバス停で乗り込んだバスは15分ほどで猿田彦神社の目の前に着いた。料金は380円で、SUICAやICOCAなど交通系ICカードが利用できる。因みに、このバスで次の停留所・神宮会館前、そして終点・内宮まで行ける。
実は筆者は、これまで猿田彦といえば「猿田彦珈琲」しか知らず、この飲んだことのないコーヒーのブランド名の由来は何だろうと以前から疑問に思っていた。調べてみると、当初、猿田彦神社との直接的な関係はなかったが、猿田彦神社の宮司の訪問がきっかけで繋がりが生まれたという。いずれにせよ、ブランディングの結果生まれた名前だ。
猿田彦神社は「みちひらきの神様」として知られる猿田彦大神を祀る神社である。天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を地上の世界まで道案内したと伝えられ、物事のはじまりに道しるべとなって、何事も良い方向へと導いてくださる「みちひらき」の神様として知られている。
本殿は、二重破風の妻入造り。方位を司る大神の御神徳にちなみ、鰹木・欄干が八角形で造られている。祭場である祝詞殿は、床は板張り、天井は目の細かい格天井、周囲は柱と蔀度で囲われた開放的な造り。これは平安期に発達した寝殿造りの様式を取り入れたものとのこと。
「みちひらき」の神様としてだけではなく、「交通安全」の神様としても有名で、新しい車を買うとこちらでご祈祷をしてもらう地元民も多いそうな。さらに祈願例として「家内安全」「身体験全」「安産祈願」「良縁祈願」「方位除け」「厄払い」「商売繁盛」などのあらゆる御利益にあやかりたいと、全国各地からの参拝者が絶えないという。
- 御神田
- 種苗
- 団扇角力
御田祭
社殿の裏手に回ると御神田がある。ここで毎年5月5日に、豊作豊漁を祈願して行われる神事が御田祭で、桃山時代の風俗衣裳を身につけた男女16名が田楽の囃子にのって苗を植えていく。挿苗後は大団扇を打ち合わせる「団扇角力(うちわずもう)」が行われ、御神田での行事が終ると拝殿前に移り「ハエーヤハエ」の掛声とともに「豊年踊」が、そして「団扇破り」が行われる。
佐瑠女神社
佐瑠女神社は、猿田彦神社のすぐ隣に位置し、芸能や技芸の上達にご利益があるとされている。御祭神である天宇受売命(あめのうずめのみこと)は、天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天上の高天原から地上へ降りられる際に随行し、天の八衢(あめのやちまた)で待ち迎えられた猿田彦大神と最初に対面されたことで、天上の神様と地上の神様との間を取り持つ役目を果たされた。その功により瓊瓊杵尊から「猨女君(さるめのきみ)」の称号を与えられた。
天宇受売命
神話によると、天照大御神が天岩屋に籠られたことで世の中が闇に覆われたときに、大御神に出てきていただけるよう天宇受女命が岩戸の前で舞踊をされた(この舞が神楽の起源とされる)。この場面は、昔、映画「日本誕生」で見た記憶がある。主役は三船敏郎で須佐之男命、乙羽信子が天宇受女命役を演じた。
このことから俳優の神、技芸・技術の上達を導く芸能の祖神として、音楽関係・芸能関係をはじめ、様々な習い事の上達・成功を願う方々から崇敬されている。ということで、普段は多くの芸能人が訪れるらしいが、今回は工事中で参拝できず、通り過ぎただけだった。まあ、芸能人でもないし…関係ないか。
~つづく~





