伊勢街道巡り旅 実録篇26. 斎宮

伊勢神宮へお参りしたことのある人でも斎宮については、よく知っている人は少ないようだ。筆者は殆ど知らなかったので、今回の旅で少し勉強することにした。
近鉄津駅から伊勢中川を経由して小一時間乗ると斎宮駅に着く。斎宮と言う名前そのものの駅があるということは存在がいかに大きいかという証拠であろう。下車してふと見ると10数名の年配のグループが同じ電車から降りてきた。ツアーガイドらしき人と何やら打ち合わせをしている。

いつきのみや体験館
斎宮駅のすぐ目の前に大きな案内板とともに寝殿造りをモデルとした「いつきのみや体験館」があった。ここでは、季節に合わせた講座やイベントがあり、斎宮が最も栄えた平安時代の歴史・文化・技術などを身近に体験できるそうだ。部屋の真ん中に、斎王が都から乗ってきたという輿「葱華輦
(そうかれん)」がでんと置かれ、奥の方では、平安時代の遊びのひとつ・貝合わせ「貝覆い」についての案内があった。また、別の部屋では、十二単の試着が行われていた。

斎宮跡
体験館を出ると前方に斎宮跡の広い敷地が広がっており、思わずほうーっとため息がでる。斎宮跡は、東西2㎞、南北0.7㎞の137haを占める全国屈指の規模で昭和54年に国史跡に指定された。
広場では史跡地の全体を10分の1に縮小した模型が設置され方格地割を再現している。
模型は、細かいところまで精巧に作られているようで、詳しく見たい気持ちもあるが、見てもよくわからないので、ひとまず歴史博物館にいくことにした。広い敷地の中を歩いていくと、真っ直ぐな広い道に出た。

復元した「古代伊勢道」と書いてあった。古代と言うことを思うと道路をここまで真っ直ぐにするということは考えにくい。宗教心というか神に対する崇敬の念が如何に大きいものであったかと感じられずにはいられない。参道を歩くような気持でまっすぐ歩いて聞くと、やがて歴史博物館の案内が見えてきた。案内板から博物館の入り口までもかなり距離があった。この時点でもう足の指先が少し痛くなっている。ようやく到着。入場料340円を支払って入館。

歴史博物館
歴史博物館は、近鉄斎宮駅から歩くと徒歩約15分。開館時間は、0930~17:00。博物館では、常設展示室があったが、まずは映像展示室で、ビデオを見ることにした。映画のようにわかりやすくまとめられており、おすすめである。

斎宮との出会い(約16分)
50年にわたる臨場感あふれる発掘ドキュメンタリーで謎につつまれていた斎宮のはじまりに迫る内容。

斎王群行(約18分)
長暦2年(1038)9月、良子内親王(ながこないしんのう)は斎王として京から伊勢へ旅立った。同行した貴族・藤原資房の日記「春記」をもとにして、群行と呼ばれた斎王の旅を映像として再現したもの。

常設展示室では、斎宮跡地で発掘された、飛鳥、奈良、平安、鎌倉の各時代の土器が展示されており非常に興味深い。尚、季節によっていろいろな企画展もあるようで、興味ある方は事前に調べていくことがおすすめである。

斎王の森
博物館を後にして斎王の森に向かう。ここは、かつて斎王の御殿があったと伝えられる場所で、現在は斎宮跡の「シンボルゾーン」となっている。鬱蒼と木が茂る静寂とした小さな森で、神秘的な雰囲気。現在は伊勢神宮の神宮司庁が管理しいる。近鉄斎王駅から徒歩約5分。
見どころは、
・黒木の鳥居     :杉の木を皮付きのまま使用した珍しい鳥居
・史蹟 斎王宮址の石碑:
・大来皇女の歌碑       :天武天皇の娘で第10代斎王だった万葉詩人の歌が刻まれている。

今回、斎宮を訪れてみて、約660年続いた斎王と斎宮の制度が、古代日本における皇室と神道、政治と宗教が密接に結びついた独特の文化の象徴であったことが分った。

当初は約1時間の滞在予定だったが、敷地の広さと資料館の展示内容があまりにも膨大で、とても収まりきれなかったので見学時間を倍にした。そういえば、見学コースの案内では、3時間コースがあったような気がする。

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