伊勢街道巡り旅~玄甲舎

田丸城見学の後、次の電車まで少し時間があったので、観光案内のお勧めに従って、駅から徒歩約5分のところにある玄甲舎に行ってみることにした。これまで全く聞いたことのなかったが歴史的建造物だという。

玄甲舎は、弘化4年(1847年)に建設された、紀州藩田丸城主・久野丹波守の家老であった金森得水の茶室兼別邸で、玉城町指定文化財となっている歴史的建造物。金森得水(1786年~1865年)は、家老として政務を執り行うかたわら、表千家茶道の免許皆伝を受けた茶人だった。田丸領の経済政策に手腕を振るい、新田開墾や茶・桑などの物産振興を行い、領内の人々に感謝された人物である。また、国学や書道、和歌にも精通し、小池流泳法の師範としても活躍した。

建築の特徴
茶道表千家の『不審庵』を江戸時代後期に再建した数寄屋の名大工・庄五郎により造営された建物で、これは庄五郎の唯一現存する作品として大変貴重なもの。
建物の構成は以下の通り:
茶室部分: 広間(八畳)と小間(三畳)からなる本格的な茶室
迎賓施設: 玄関、寄付(よりつき)など
居宅部分: 家族が生活するスペース
数寄屋造りが特徴で、自然の風合いを残した材料が使われ、赤茶色の土壁、目の美しい天井板、竹が張られた軒の裏側など昔ながらの自然素材がふんだんに使用されている建築である。
庭園
庭園は当時の図面を元に復元され、足立美術館の庭園で知られる中根金作が設立した中根庁園研究所による調査・設計のもと、地元三重の橋本庭松園が手掛けたもの。一面の苔の中に飛び石が配された茶庭で、亀をモチーフにしたデザインが随所に見られる。
修復と一般公開
玉城町は築後170年以上経過した玄甲舎を平成25年に文化財指定し、平成27年度より実地調査を開始、平成29年度に建物改修、令和元年度に庭園復元整備を完了した。令和2年(2020)6月から一般公開されている。
所 在 地 : 〒519-0414 三重県度会郡玉城町佐田151-22
問合わせ: 0596-58-8050(玉城町生涯現役促進協議会内)
施設は茶会、ヨガ、写真展、ワークショップなどに貸し出しも行われており、毎月第4金曜日にはお抹茶体験イベントも開催されている。江戸時代の風情を残しながら、現代でも実際に利用できる貴重な文化施設として、多くの人々に親しまれている。

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