今日の散歩道~マテバシイ(馬刀葉椎)

郷里奈良の田舎にある内親王御陵に、この木が植わっていて、小学生の頃、友達と連れ立って晩秋の頃に落下する砲弾型の長さ3~4cmの細長いドングリを拾い、実の中身をくり抜いて笛を作って遊んだ想い出が残っています。

その頃と違って、最近は公園樹や街路樹として、身近な場所で目にする機会が増えました。

この木は日本の固有種で関東以西の温暖な沿岸地に自生する、ブナ科の常緑高木、大きく成長すると15m内外の高さに育ちます。梅雨前のこの時期、色は目立ちませんが枝先に一斉に花をつけます、それは穂状花序と言って先端部に拡がるのが雄花、雌花は目立たない根元の場所にあり、その付近には前年受粉した幼いドングリがあり、つまり受粉してからドングリとして落下する迄に1年半も掛かります。花は近寄ると、栗の花と同類のムッとする匂いが漂います。

ドングリは食用可で、古代遺跡見学で、古代食体験として、粉状にしたものを使って、「縄文時代のクッキー」として参加者に試食提供する機会もあるとか。 焼酎ファンに、高知県の栗焼酎は知られていますが、長崎県の離島産で、このマテバシイを原料とした、「まて焼酎 鷹島」があるそうです、生産量が少なく、入手困難のようです。

山仲春男

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