クーベルチュール

みなさん、バレンタインデーにはチョコレートを送ったり送られたりしましたでしょうか? この習慣の始まりが日本のチョコレート・メーカーによる仕掛けだったとしても、たったチョコレート1枚でドキドキしたりするのも悪くいことかもしれません。

さて、バレンタインデーとは関係がないのですが、先日たまたまラジオを聞いていて、クーベルチュール・チョコレートの格安販売があると聞いて思わず買ってしまいました。普段から販売されているものではなく所謂特売品で、割れて商品にならなかったものを集めて1㎏単位で特別販売するというものでした。

ところで、「クーベルチュール」ってどういう意味でしょうか?菓子作りをされる方はご存じでしょうが、そうでない人たちには聞き慣れないことばですよね。私は、食品原料関係の仕事をしていたので、チョコレート原料であるココアの産地や工場を訪問したこともあり、製造工程はある程度はわかります。ということで、今回の新語・難語は、「クーベルチュール」です。

「クーベルチュール・チョコレート」とは、主にお菓子作りに使われることが多いチョコレートです。「クーベルチュール(couverture)」とはフランス語で「カバー」という意味。キャンディーやケーキなどの表面を覆うためのチョコレートなので、この名前が付けられました。

成分についてはそれぞれの割合に厳格な規定があり、これは脂肪分が十分に含まれていないとキレイにコーティングができないからなのだそうです。

クーベルチュールチョコレートと板チョコとのいちばんの違いは、ズバリ口溶けです。クーベルチュール・チョコレートの成分は国際基準で厳し決められています。しかし市販の板チョコは、カカオバター以外の油脂も添加されているものも多く、さまざまな配合がなされているものがほとんどです。

製菓用のクーベルチュール・チョコレートは、もちろんそのままでも食べることができます。脂肪分が多く、余計な添加物が入っていないものも多いので、素朴な味わいのチョコレートを楽しみたい方には特におすすめです。

クーベルチュール・チョコレートは、お菓子に混ぜ込めば濃厚な味わいを楽しむことができます。ガトーショコラやフォンダンショコラなど、しっかりとしたチョコレートの風味を全面に押し出したいお菓子には必須のものです。

ただ、こちらは王道の使い方ですね。マシュマロをディップしてみたり、ケーキをコーティングしてみたり……。おいしさはもちろん、ビジュアルも美しく仕上がるのがポイントでしょう。アイディアしだいでいろいろな使い方ができそうです。

クーベルチュールチョコレートは、ほかのチョコレートと同様に暑さには弱い食品です。溶けてしまうとファットブルームという現象が起き、せっかくの風味が落ちてしまいます。

開封前ならば室内での保管はOKです。ただし、直射日光や高温、多湿になるような場所は避けるのがベター。開封してしまったら冷蔵庫で保管し、なるべく早めに使い切ったほうがいいでしょう。また、夏場は開封前でも冷蔵庫で保管するのがおすすめです。上手に保管して、おいしくいただきましょう。

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