來宮神社
小田原城をたっぷり見学した後、予約しておいた熱海のホテルに向かった。当初、小田原のビジネスホテル泊を考えたが、旅の疲れを癒すにはやはり温泉が一番と熱海に切り替えた。JRで20分ちょっとなので便利である。熱海には、現役時代、業界のゴルフ会参加のため毎年のように来ていたが、観光はしたことがなかった。友人のすすめで、人気スポットである来宮神社に行くことにした。熱海と聞くと温泉しか思い浮かばず、こんな歴史ある神社があるとはつゆ知らなかった。
「來宮神社(きのみやじんじゃ)」は、熱海郷の地主の神として、古くから「来福・縁起の神」として熱く信仰されている歴史ある神社である。そして全国にある「來宮神社(四十四社)」の総社でもある。
- 正面鳥居
- 本殿
- 大楠
鳥居をくぐり、5mほどで左手に「手水舎」があり、参道から本殿へ、右手に「御神水」があり、階段を上ると正面が「本殿」。左奥の大楠まで緑と水に囲まれた自然の中に鎮座ししている。参道をはさんで向かい側に「第二大楠」、その奥に「三峯神社」が、手水舎の左脇奥に「来宮稲荷明神」がある。(境内マップ)
1. 來宮神社の始まりと歴史(由緒)
創建は奈良時代の和銅3年(710)と伝えられている。社伝によると、ある日熱海の漁師が海で網を下ろしたところ、不思議なことに3度も木の根(あるいは御木像)が掛かかった。漁師がそれを近くの松の木の下に祀り、持っていた「麦こがし」をお供えしたところ、夢に五十猛命(いたけるのみこと)という神様が現れたそうな。
神様は「潮騒の音が耳障りでない、静かな場所に祀ってほしい。そうすれば村人はもちろん、ここを訪れる旅人も守護しよう」とお告げを下した。そこで村人たちが波の音の聞こえない山の手の地を探し当て、遷座したのが現在の場所。木の根を御神体としたことから、古くは「木の宮(きのみや)」と呼ばれていた。
また、平安時代初期には、征夷大将軍の坂上田村麻呂公が戦の勝利をこの神前で祈願し、無事に勝利を収めたことから、その御分霊を東北地方をはじめ全国各地に祀ったという伝承も残されている。
2. お祀りされている三柱の神様(御祭神)
來宮神社には、それぞれ異なるご利益を持つ3人の神様が合祀されている。
・五十猛命(いたけるのみこと)樹木と自然保護の神様
朝鮮半島から多くの樹木の種を持ち帰り、日本全国に植えて緑豊かな国土を作ったとされる神様である。
・大己貴命(おおなもちのみこと)別名「大国主命(おおくにぬしのみこと、だいこく様)」
商売繁盛、良縁招来(縁結び)、身体強健のほか、温泉の神様としても知られている。
・日本武尊(やまとたけるのみこと)武勇と決断の神様。
坂上田村麻呂が東征の際に戦勝を祈願し、後に合祀されたと言われている。
3. 最大のシンボル:樹齢2000年超の「大楠(おおくす)」
來宮神社の境内を語る上で欠かせないのが、国の天然記念物にも指定されている御神木の「大楠」。
全国2位の巨樹: 樹齢はなんと2,000年以上、幹の周囲は約24メートルにも達し、平成4年の環境省の調査で全国第2位の巨樹として認定された。
■2つの伝説:
・延命長寿: 幹の周りを1周すると、寿命が1年延びる。
・願望成就: 心の中で願い事を唱えながら幹を1周すると、願いが叶う。
圧倒的な生命力を放つ大楠は、今でも日本屈指のパワースポットとして多くの人を惹きつけている。
4. 「麦こがし」と熱海最大の祭り「こがし祭」
神様が祀られた際、熱海の村民が「麦こがし・百合根・ところ・橙(だいだい)」をお供えして歓迎したという伝承にちなみ、現在でも毎年7月15日前後に「こがし祭(例大祭)」が盛大に執り行われる。これは熱海市内で最大級のお祭りで、熱海の海岸で御鳳輦(ごほうれん)を担いで海に入る神事が行われるほか、各町内から豪華な山車が繰り出し、街中が熱気に包まれる。参拝のお土産としても「麦こがし」を使ったお菓子などが人気。
現代の來宮神社
歴史ある古社でありながら、近年では境内に非常におしゃれなオープンカフェが併設されたり、夕暮れ時から夜にかけて木々や大楠がライトアップされるプロジェクト「木霊ディライト」が行われたりと、「伝統とモダンが融合した神社」としても有名。
歴史の深さを感じながら、心地よい自然のパワーでリフレッシュできる、熱海観光には外せない名社と言われている。





