「クマノザクラの会」発足

サクラの新種「クマノザクラ」の活用や保全に関わる個人、団体が県境を越えて連携を目指す「日本クマノザクラの会」が発足する。14日に三重県紀宝町で設立総会がある。クマノザクラは自生地が和歌山、三重、奈良の3県にまたがる紀伊半島南部の固有種。その活用は地域の観光や文化の発展に貢献すると期待されている。

 設立の発起人には、国内の野生のサクラでは100年ぶりの新種としてクマノザクラを発見して命名した、森林総合研究所多摩森林科学園チーム長(サクラ保全担当)の勝木俊雄さんをはじめ、和歌山県森林インストラクター会会長の岡田和久さん、三重県の熊野さくらの会理事長の田尾友児さんらが名を連ねる。
 事務局の田尾さんによると、昨夏から準備を進めてきた。クマノザクラの花は淡紅色でソメイヨシノよりもやや早く開花する。観賞に適したサクラで、ソメイヨシノに代わる観賞木として注目している。一方で、これまでヤマザクラと同一視されていて、自生地でも信頼できる情報が公開されておらず、持続的に活用するには、正確な情報を多くの関係者が共有する必要があるという。
 発足後は、地域住民への啓発活動をはじめ、個体情報の収集・発信、保全・植栽計画の立案と提案、調査研究、関係者の交流などをしていく。
 また、正確なクマノザクラの情報を発信するため、リーフレットを作り、ホームページ(HP)を開設する。リーフレットは3月上旬に関係市町村や観光拠点で配布する予定。HPでは新規会員を募集していく。

(出典:2021年2月12日 14:30紀伊民報社)

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