「熊野体験倶楽部」オープンのお知らせ
今年8月、体験工房や天文ドームを備えた自然体験施設「熊野体験倶楽部」が三重県御浜町下市木にオープンした。七里御浜の海と里山を一度に楽しめる環境が売りで、施設を整備したオーナーは「熊野の恵みや力を体感できる拠点にしたい」と力を込める。
平成21年7月以来、オーナーは、熊野市久生屋町の宿泊施設「里創人熊野倶楽部」で、星空観察やホタル観賞といった自然体験会のほか、地域史を伝える自作紙芝居の上映会などを開いてきた。活動の根底にあるのは「自然に寄り添い、自然を学ぶ架け橋になりたい」という一心。その思いが今回の「熊野体験倶楽部」開設に至った。
今年1月、JR紀伊市木駅にほど近い住宅街にある310坪の土地を取得して開業の準備を進めてきた。施設の核となるカフェ兼工房(9月中開店予定)や、天体観測ができる「天文ドーム」、数十種類のハーブが楽しめる庭園を準備している。
工房では、庭園のハーブを使ったスプレーやバスソルト作り、木工体験などを展開。製材業者や植物療法士など各分野のプロを講師に迎え、さまざまな体験教室を不定期で開く計画だ。釣りなどの野外学習も実施の予定。小学生以下はワンコイン、大人は千円程度で受講できるようにしたいと。
7月中旬、プレオープンイベントが開かれ、準備に携わった関係者ら約30人が開業を祝った。オーナーは「地域に根付く日本の原風景からしか得られない経験がある」と、次代を担う子どもたちが熊野の魅力を味わい、未来に継承できるようにしたいという。
8月20日~31日の12日間開催された夏休みの特別イベント(ミニ縁日や竹製の水鉄砲作り、アロマクラフトなどが日替わりで無料体験)には、聞きつけた多くの親子が駆けつけて行事を楽しんだ。
熊野の自然に触れあいながら、未来を担う子どもたちが元気に育っていける施設として今後の発展を願いたいものだ。



