移住を考える⑱~本宮に魅せられた若者

昨日は、新宮市高田が大いに気に入ってこの3月から新しい移住生活をはじめられた30台のご夫婦を紹介した。今回は、熊野の中心ともいえる「本宮」に魅せられた20代の若者の紹介です。

今年5月1日、田辺市本宮町本宮の国道168号線沿いに「くまのこ食堂」がオープンした。地元の食材を使ったこの食堂は一般社団法人「kumano.co(くまのこ)」によるもので、立ち上げたのは、大阪府出身の川端佑典さん24歳だ。

川端さんは関西大学人間健康学部所属時に、堺市の子どもたちを本宮町の旧皆地小学校へキャンプに連れてくるという地域連携事業を企画運営していた。旧本宮町が田辺市と合併後、解消していた堺市との友好都市提携を復活するきっかけになったという。

学生時代から、年10回ペースで本宮を訪れ、長い時は1ヶ月も滞在していたという。地元の祭りなどへ参加するうちに地域住民たちと親しくなっていった。「本宮は面白い人が多く、皆さん快く受け入れてくれた」と感謝の気持ちで振り返る。

大学卒業後、「本宮で何かやりたい」と考えるようになり、大学時代の先輩、後輩3人と一緒に今年4月に本宮町に移住した。熊野牛や地元野菜を使った飲食店を始めることになった。

「最初は外から本宮のまちづくりに協力しようと思っていましたが、本宮の人たちが若者を求めていることを知り、思い切って移住しました。夜に食事を提供できる場所が少ないという声があったので、食堂は朝10時から夜10時までまで営業しています」と話す。

そして、それだけではなく、今後、ゲストハウスや農業も展開し「働く場所を作って、いろんな若者が本宮へ入ってくる呼び水になれば」と抱負を語っている。

以前にも、移住した若者を紹介したが、共通しているのは、自分だけ生活環境を変えたくて移住してきているのではなく、移住をきっかけとして、そのまち全体に寄与したいとの思いがある。そして、自分の移住をきっかけとして、次に続く若者の移住の手助けになることまで考えていることだ。

最近の移住ブームは全国でみられる傾向のようだが、一部には、途中で断念して帰ってしまうこともあると聞いている。理由はそれは、地元になじめないということに尽きると思われるが、実に素晴らしいことではないでしょうか。

 

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