2021-09-29 / 最終更新日時 : 2023-08-01 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「終わりの夏」 終わりの夏 従妹はバッハばかり弾いていた 少し速いんじゃない 指が心持ちゆっくり鍵盤から離される 私は花瓶を持ち上げる シチリアのことはよく知らなかったが 波の中に島の形が浮かんで消えた 断崖の上に緑の土地があり 大き […]
2021-06-28 / 最終更新日時 : 2021-06-24 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「球形の蕾」 ようやく秋らしい気候となってきたようですが、みなさま如何お過ごしでしょうか。秋と言えば読書の秋。新宮の歴史・文化にどっぷりと浸ってみませんか。 新宮高校出身の詩人・荻悦子さんが新しく詩集を出されました。題して、「樫の火」 […]
2021-05-21 / 最終更新日時 : 2023-08-01 Tony 荻悦子 荻悦子詩集[「樫の火」より~「祝福の木」 祝福の木 男に抱かれた黒い犬の目が私を射る 目が妙に光り 金色の環が生まれる 雑誌に載っている写真の中の 動かないはずの犬の目が光を放つ 犬は男の腕をす り抜ける ベランダの木の階段を降りてくる 顔を 上げ 光の矢を放ち […]
2021-05-20 / 最終更新日時 : 2023-08-01 Tony 荻悦子 荻悦子詩集「樫の火」より~「スープ」 スープ 娘がスープを作ります それは丁寧に本格的に作る のです レンガの壁を背にして おごそかな口調で 翠さんが言った 大きな鍋には既に何かがたぎって いる 翠さんの娘はその中に刻んだベーコンを入れ た 厚みのあるベーコ […]
2016-03-14 / 最終更新日時 : 2023-07-31 Tony 荻悦子 近況報告~荻悦子 皆様 春が来ました、とは言え、天候不順です。 皆さま、お元気でお過ごしで、ご活躍のご様子を伺い、うれしく存じます。私もおかげさまで元気でいます。詩やエッセイの仕事があり、自分の詩集の原稿整理がありまして、時間を取られてい […]