城を学ぶ③~石垣(その2)積み方による分類

石垣の積み方は、布積と乱積の2つに大きく分けられる。石垣最上部の天端(てんば)が垂直になった箇所を雨落とし(あめおとし)といい、その下に反りがあるものを「寺勾配」、雨落としが浅い・無いものを「宮勾配・扇の勾配」という。

積み方による分類
布積み(ぬのづみ) 方形に整形した比較的おおきな石を目が横に通るように積み上げる方法で、整層積み(せいそうづみ)ともいう。目地が通っているので、強度に問題がある。現在でも擁壁事業(土留工事)で用いられているが、現在はコンクリート擁壁の表面にモルタルを接着剤とした練り積みであり、強度的問題は無い。
乱積み(らんづみ) 大きさの違う自然石の平石、加工した平石をさまざまな方向に組み合わせ、積み上げる方法で、乱層積み(らんそうづみ)ともいう。安土桃山時代以降に用いられた。また布積の発展型とされる、「整層乱積み(せいそうらんづみ)」もある。大きさの違う長方形の石を使い、横目を通さないため布積より崩れにくい。
巻石垣 石垣が孕んで(脹らんで)崩落する事を防止するために既存の石垣の前面に築いて補強する石垣。現存する城跡もあるが中でも鳥取城天球丸の巻石垣は球面になっており現時点で確認されている唯一の球面石垣である。

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