城を学ぶ㉖~城門について

城門は、城の出入り口であると同時に防衛の要となる重要な場所だ。そのため城郭の中でも早くから研究が発達しその歴史は古い。門の上に櫓を載せた格式高い2階建ての櫓門や平屋づくりの冠木門。コの字型に屋根をかけた高麗門、そのほか長屋門、棟門などその種類もたくさんある。

見た目も大きさも違う門だが、実は、その構造はどれも同じで、基本は、鏡柱、冠木、控柱、そして扉からなる。まず、門の正面だが、両側には鏡柱という主柱を立てる。これは正面の幅が広く、大手門など重要な門では幅が60センチにも及んでいる。鏡柱の上には冠木を渡し、後ろには日控柱を立てる。鏡柱が倒れないように控柱と貫でつないで骨組みが完成する。そうして、両側の鏡柱に内開きの扉を取り付ければ城門の完成となる。

主な名称を挙げると、城の表側にある最も厳重で大きな門を「大手門」と呼ぶ。その裏手にあたるのが「搦手門」で、「不開門」は通常閉ざされており、鬼門(東北方向)に置かれていた。

地名に由来する名称も少なくない。江戸城の桜田門や日比谷門などがそうだ。面白いところでは、姫路城では、あまりに多くの城門をつくったため、「いの門」「ろの門」というように「いろは」順につけている。

曲輪と曲輪を隔てる役割を持つ城門だが、敵の侵入を防ぎいち早く撃退する場所でもあった。そのため、場所によっては迷路のように配置したり、見えないように隠して建てたりするなどの工夫もみられる。その最たるものが桝形門で、敵を閉じ込めて三方向から攻撃するため、外側の小さな高麗門と内側の櫓門で四角い封鎖した空間を作っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です