佐藤春夫(3)春夫と太宰治

毎年6月19日、東京都三鷹市の禅林寺で桜桃忌があり、早朝から作家・太宰治を偲ぶファンが大勢詰めかけ墓前に花や酒、サクランボなどが供えられる。「桜桃忌」は通夜の席で、生前太宰と親交のあった人達によって相談され、故人を偲ぶ宴を毎年開こうとまとまったものである。

第一回の参加者の顔ぶれをみると、太宰が生前敬愛してやまなかった先輩格には豊島与志雄、佐藤春夫、井伏鱒二らが、親しい友人としては、亀井勝一郎、伊馬春部、山岸外史、今官一、上林暁、小山清、菊田義孝、戸石泰一、堤重久など、友人、後輩、ジャーナリズム関係者を含め60名を越えたという。

ただ、回を重ねるにしたがい、一時は40名内外で決まった顔ぶれのささやかな集まりに落ち着いていったらしい。ところが、昭和30年代になって、筑摩書房から太宰の完全な個人全集12巻が発刊されたこともありようやく文名も定まり、太宰ブームが起きて愛読者である若い男女が境内に溢れんばかりになっていった。そして、没後70年を経た今も、新しい世代のファンが訪れている。

生前、太宰と親交があり桜桃忌のもとをつくった人たちの一人として、上記の通り佐藤春夫がいる。

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