2021-06-29 / 最終更新日時 : 2021-06-24 yatagarasu 荻悦子 荻悦子詩集より~「残響」 残響 投げられた マンドリン 波うち際 胴の中を走る 微量の砂 波のざわめきを割って ゆれあがる残響 硬く厚く 明け方 壁の海図に 亀裂を走らせる いくつもの半島 横たわる湾 砂丘をなぞり 汀をなぞり 見知らない海鳥の影 越えていく残響 冷たい水 髪から 肩に胸につま先まで 方形に凍ったまま 眼をひらく 明け方の まだ暗い海の波 荻悦子詩集「流体」より 337 total views, 2 views today FacebooktwitterCopy コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目ですコメント * 名前 * メール * サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 Δ Optionally add an image (JPEG only)