2021-02-10 / 最終更新日時 : 2021-01-21 Tony 荻悦子 荻悦子詩集より~「燕」 燕 浮いたとたん 狂ったような速さ 激しく沈み 急に向きを変える ああっ ぶつかってくる 思わず目をつむる人の 頭上すれすれに 数羽 やみくもに飛ぶ 曲がり角 きれいに反れ 生け垣の 繋がった枝葉より低く 二羽 ぐんと去る 歩いていた人は 置き去りにされる 足元にくぐもった地熱を 急に感じる 今は六月のただなかと知る 霧雨が降り 燕 激しく揺れ 嘴 空中で何かを 産み継ぐことに これほどにも憑かれ 燕 速く とても低く翔ぶ 荻悦子詩集「流体」より 共有:クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます) コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目ですコメント ※ 名前 ※ メール ※ サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 Δ