荻悦子詩集より~「視線」

視線

雲の岸辺で
見開かれている目
その強い視線
白い鋭い光
ぐっとこちらを射ると
光は瞳の外に
花びらのように弾け散り
目の輪郭は見えなくなる

見えない
捉えられない

こちらを射る一瞬
白く燃える光

遥かな父祖たちの
眼差しのように
遠く隔たりながら
真近に注がれていると
信じることのできる視線

謎を解けないまま
これほどに憧れ
見つめ返し
まっすぐに見つめ返し
隠すところのないわたしの熱が
まっすぐに
あの瞳に届くことはない

荻悦子詩集「流体」より

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