荻悦子詩集より~「星群」

星群

シンバル
わわっと背を揺すられる
その後ろで
ヒューと
花火のように
高く昇っていく音

ペルセウス座流星群が見えるかもしれない

明かりは消してある
ベランダの天井が仄白い
そこに
柱の影が折れて二本
霞んでしか見えない街灯の光が
手すりの下に嵌まった網ガラスに
淡い茜に滲んでいる
いつまでも何ほどか色を帯びて
ぽおっと広がる大気
闇のない夜

ペルセウス座星群が近づいてくる

ヒューと昇っていく
聞いたことのない物の音
同時に
シンバル
モダンジャズは鳴りやまない
背中に接触しているアルミサッシ
闇のない夜の空
あなた
いま何をしているのですか
呟いて
空になったビール缶を弱く捩じ曲げる

ペルセウス座星群は真上に

流麗な光が束のように
束のように光があるはず

荻悦子詩集「流体」より

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