2021-03-02 / 最終更新日時 : 2021-01-21 Tony 荻悦子 荻悦子詩集~「流体」 流体 なぜ馬なのか それも白い 疾走する肢体が 薄明のなか 青ざめて見える 濡れた砂に 私が残した旋律 わたしの歌はやがて乾き 砂はうねって丘をつくった だが やさしい稜線 などと なぜ感じるのか 大きく揺れあがる馬の背 背の上に身を低く伏せる娘の身体も 激しく上下する 長い髪が吹き上がって 額を打つ たてがみが渦巻いて 視界いっぱいに広がる 疾走は青ざめたまま弾け しぶきとなって散る 自在な流体 流れ続ける目であるわたしのなかに 彼らがどっと身を跳らせたのだ 荻悦子詩集「流体」より 共有:クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます) コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目ですコメント ※ 名前 ※ メール ※ サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 Δ