荻悦子詩集より~「痕跡」
痕跡こがれる こがれる巻き貝の眠り 自ら紡いだ石灰質の 沈んで行く 埋まって行く つま先から 底の尖った窪 巻き貝に 砂に 降り注ぐものがある 薄い光 夜明け 殻は緻密な刻み目や螺旋状の脹らみを持ち その石灰質 洞窟の壁に残っているのは 途方もない過去の 溶け合 溶け合う? 溶け合わない? 巻き貝の眠り 乾いてい |
荻悦子詩集「流体
痕跡こがれる こがれる巻き貝の眠り 自ら紡いだ石灰質の 沈んで行く 埋まって行く つま先から 底の尖った窪 巻き貝に 砂に 降り注ぐものがある 薄い光 夜明け 殻は緻密な刻み目や螺旋状の脹らみを持ち その石灰質 洞窟の壁に残っているのは 途方もない過去の 溶け合 溶け合う? 溶け合わない? 巻き貝の眠り 乾いてい |
荻悦子詩集「流体