2021-02-17 / 最終更新日時 : 2021-01-21 yatagarasu 荻悦子 荻悦子詩集より~「渓谷」 渓谷 行かないよ 四肢を拡げ 仰向いて 浮いている 膨らんだ 声と 声 冷ややかな真水 干乾しにされたのだった 身重のマムシは 隣人によって この時期 鉄錆色か黄土色の 柔らかい小石を探して 硬い石に 書いてごらん (のだった)は大過去形 身重というのも 思い至らず 四肢は神に裏返される 落ち鮎の腹に残る砂 砂を噛む思いを 心して食べなさい 発って行く人 あなたを潰す 豪雨がまもなく 正午に 合図を変えなくては 荻悦子詩集「流体」より 172 total views, 2 views today FacebooktwitterCopy コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目ですコメント * 名前 * メール * サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 Δ Optionally add an image (JPEG only)