新加坡回想録(48)車が高すぎる!
赴任当時、マレーシアを縦断するマレー鉄道がシンガポールの中心部まで伸びていた。それが2011年に廃線となって以降、北端のウッドランド駅が終点となり、国内のシンガポール駅とブキティマ駅の2駅は廃駅となりました。(現在は歴史遺構となり観光名所のひとつ)この1本の鉄道は国際列車であり、国内の移動に利用されることはありませんでした。
今でこそ地下鉄もできて交通網はより発達していますが、東京の地下鉄とは全く別物です。当時も今も、仕事で市内を自由に移動するには車は欠かせません。駐在員は通勤及び外出の時には社有車を利用することができます。ただ家族で利用する車も必要で、プライベートで1台持つのが通常です。
帰国する駐在員から中古を譲り受けることも可能ですが、私の場合は前任者が免許を持っていない人だったので、それが出来ず新車を購入することになりました。たまたま同時期に赴任したもう一人の駐在員と二人でブルーバードを買うことにしました。価格は約200万円。当時の日本での価格100万円の丁度2倍です。これはシンガポールの車の輸入税が100%だったからです。
高い買い物ですが、家族の安全を考慮すると仕方のないことでした。当時から既にシンガポールは比較的治安のよいところでしたが、近隣諸国ではまだまだ治安が悪く、タクシーに乗っていて襲われたなど危険な話を聞いていたこともありました。
そして帰国の時は、5年ほど乗った後、業者に査定させると半額以下になりましたが、後任に譲り渡しました。このことはお互いに、少し助かりました。
蓬城 新