新加坡回忆录(37)エイプリルフール
海外の企業には、エイプリルフールを思いっきり楽しむ習慣があるようだ。世界的に有名な大新聞社が4月1日の第一面に大ウソのニュースを掲載して、読者を驚かせ、楽しむことがよくある。
それにならったものだろう。シンガポールにも過去に面白いジョークが「The Straits Times」の第一面を飾ったことがある。それは、シンガポールに国内専用の第二空港ができるというニュースだった。
このジョークの面白さがお分かりだろうか。そう、国土全体でも東京都区内ほどの大きさしかないシンガポールに国内便が無用なことは子供でも分かることだ。南北で約1時間、東西で約2時間も車で走れば海にドボンとはまってしまう狭さなのだ。
例えば、飛行機が滑走して上空へ飛び上がったとしよう。もうその時点で海の上に出てしまい降りるのは外国の土地でしかないのだ。もし、国内に着陸しようと思えば、戻ってこなければならない。私はこのジョークが好きである。駐在していた時に、ローカルスタッフと腹を抱えて笑ったことを覚えている。
ついでに、他の国ではどのような記事が掲載されたか紹介してみよう。
1)Burger King(左利き用バーガー)
米バーガーキングはエイプリルフールのためにUSA TODAY紙に広告を掲載。
人気商品「ワッパー」を左利きの人専用に新開発したと”発表”し、全面広告を使って「グリップ感をアップして味を楽しめるよう、バーガーを180度回転させました」などのワケの分からない説明で楽しませた。
2)Metro
イギリスのMetro紙は、「食べられるMetro」という記事を掲載。
記事には電車でMetro紙にかじりつく男女の写真が掲載され、イギリス人シェフであるヘストン・ブルーメンソールからのコメントまで登場。
「読んだあとに食べられる唯一の新聞です」と説明されたこの新聞のジョークは、映画『チャーリーとチョコレート工場』から着想を得たという。
蓬城 新