がんを考える①~妻へのガン告知

妻へのガン告知
6年前の4月下旬のことでした。妻が腎臓がんに罹患したことがわかり大きなショックを受けました。子どもたちと家族会議を開き、どのようにして妻の健康を回復するかを話し合った末、まずは、信頼できる病院を選択することが重要と考え、お互いの友人、知人に連絡をとって出来る限りの情報を集めることにしました。

私は、以前、友人のKさんががんに罹患して大変なご苦労をされたということを聞いていたので、さっそく連絡を取ってみることにしました。Kさんは、もともと医薬業界に従事されていたこともあってその方面の事情に詳しいこと、そしてなにより、ご自身が通常の手術より何倍も難しい手術を受けて困難を克服されたという経験の持ち主でしたので、藁にもすがる思いでいろいろとお聞きしました。

一方、子どもたちもそれぞれ会社の上司や同僚、友人たちにいろいろ聞いて情報を集めました。そんな中、娘の一人が学生時代の友人からひとつの病院を紹介されました。そしてその病院は、実はkさんが他の病院ではできないといわれた難手術を受けて完治されたという、まさにその病院だったのです。

親子それぞれが別の友人から情報を集めいくつかの病院が候補にあがりましたが、その中で唯一、一致した病院があり、しかもそれぞれに聞いた情報が納得できるものだったので、一も二もなくその病院に決めました。さっそく予約のための電話を入れて相談した結果、受け入れてくれることになり、今かかっている病院ですぐに紹介状を書いてもらうように言われました。

早速、紹介状の発行をお願いすると、通常2~3週間はかかるといわれているところを、幸運にも翌日いただけることになりました。そのことを報告すると、1週間後に初診の予約を取ってくれ、とんとん拍子に話が進みました。最初の病院で撮ったCT写真と紹介状を持って、約束の日にその病院に向かうことになりました。

家族で初めてのがん告知だったのと、片方の腎臓を全摘出しなければならないと言われたことで、本人はもちろん家族全員のショックは大きいものがありました。しかし、その後の治療への準備がすべて順調に進んだので、不安は残るものの一筋の光が見えたような気がして、少しだけ気持ちが楽になりました。入院の日程も決まり、あとは手術の成功を祈るばかりでしたが、その時は妻の心の奥まで覗くことはできていませんでした。

~「がんを考える②~さらなる追い打ち」へつづく~

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