がんを考える㊵~乳がん 11(治療 – 放射線治療)

放射線治療は、高エネルギーのX線や電子線を体の外から照射して行われる。がん細胞を通過した放射線は細胞の増殖を阻害し、がんを小さくする効果がある。放射線治療は放射線照射を行った部分だけに効果を発揮する局所療法である。

乳がんでは、手術の後に温存した乳房やリンパ節・皮膚での再発を予防するために放射線治療が行われることが多くなっている。また、再発した場合に、がんの増殖や骨転移に伴う痛み、脳への転移による神経症状などを改善するために行われることもある。

放射線を照射する範囲や量は、放射線治療を行う目的、病巣のある場所、病変の広さなどにより選択される。多くの場合、外来での治療が可能である。

放射線治療の副作用について
副作用は主に放射線のあたる部位にあらわれる。治療中や治療終了直後に皮膚が日焼けをしたように赤くなることがあるので、強くこすったり、掻いたりしない様に気をつけなければいけない。

皮膚の赤みは治療終了後1週間から2週間でほとんど改善する。治療後に皮膚が熱をもったり、黒ずんだりカサカサになることがあるが、多くは数年で元に戻る。治療後しばらくたってから、まれに肺に炎症が起こることがある。咳や微熱が続くときは担当医に相談したほうがよい。

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