がんを考える㉟~乳がん 6(サブタイプ分類)

最近NHKの番組でも視たが、乳がんにはサブタイプ分類というものがあるようだ。乳がんでは、病期(ステージ)による分類に加え、がん細胞の特徴によってさらに分類され、この分類をサブタイプ分類という。

がん細胞が女性ホルモンにより増殖する性質をもつか否か、がん細胞の増殖に関わるHER2タンパクあるいはHER2遺伝子を過剰にもっているか否か、がんがふえるスピードが速い(Ki67が高値)か否かといった特徴により、乳がんを「ルミナルA型」「ルミナルB型」「HER2型」「トリプルネガティブ」の4つのタイプに分類される。タイプにより、有効な治療方法が異なる。

薬物療法の選択については、今までもホルモン受容体陽性やHER2陽性などで検討されてきたが、近年、このがん細胞の性質で分類する考え方のサブタイプ分類が定着してきた。

調べられる要素は以下の一覧表の通り。

  サブタイプ分類  ホルモン受容体    HER2   Ki67 値
ER  PgR
 ルミナルA型  陽性  陽性  陰性  低
 ルミナルB型(HER2陰性)  陽性  弱陽性/陰性  陰性  高
 ルミナルB型(HER2陽性)  陽性  陽性/陰性  陽性  低~高
 HER2型  陰性  陰性  陽性  -
 トリプルネガティブ  陰性  陰性  陰性  -

サブタイプ分類は、遺伝子解析によって提唱されているが、遺伝子検査は費用もかかり実用はまだ難しい。従って実際は、生検や手術で採取されたがん細胞を免疫染色で調べることで、臨床病理学的に遺伝子解析の分類に当てはめているのが現状だ。

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