ユニバーサルクレジットとは?

ユニバーサルクレジット(Universal Credit)は、主にイギリスで導入されている統合型の社会保障給付制度です。制度の概要2013年に段階的に導入が始まったこの制度は、従来別々に運営されていた複数の給付制度を一つに統合したものです。

具体的には以下の6つの給付が統合されています:
・求職者給付(Jobseeker’s Allowance)
・雇用・生活支援給付(Employment and Support Allowance)
・所得補助(Income Support)
住宅給付(Housing Benefit)
・子ども税額控除(Child Tax Credit)
・勤労税額控除(Working Tax Credit)

主な特徴
・簡素化: 複雑だった給付制度を一本化することで、申請や管理を簡略化
・デジタル化: オンラインでの申請・管理が基本となっており、デジタル技術を活用就労支援: 働くことができる受給者には就労を促進する仕組みが組み込まれている
・柔軟性: 収入の変動に応じて給付額が調整される仕組み課題と議論導入以来、システムの遅延、給付の遅れ、複雑さの残存などの問題が指摘されており、政治的な議論の対象となっています。特に、従来の制度から移行する過程での混乱や、受給者への影響について継続的な検討が行われています。
この制度は、現代の福祉国家における給付制度改革の一例として、国際的にも注目されている政策です。

日本におけるユニバーサルクレジットへの取り組みについて
現在の状況では、具体的な政策として「日本版ユニバーサルクレジット」が政治レベルで議論され始めています。総裁選立候補者の一人は、所得に応じたきめ細かい支援を可能にする「日本版ユニバーサルクレジット」を創設すると表明 しており、これは最近の自民党総裁選の政策発表で言及されました。

また、日本総合研究所 シニアフェローによる「日本版ユニバーサルクレジットに向けた検討を」という記事が2025年9月12日に投稿  (Kinzai-online) されており、学術的な検討も進められています。

ただし、日本での取り組みはまだ初期段階にあると考えられます。具体的な制度設計や導入スケジュールなどの詳細は明確になっていないのが現状です。参考として、イギリスのユニバーサル・クレジット制度は2013年より導入されている新しい生活保護制度  (Educedia) で、従来バラバラに提供されていた6種類の給付(所得補助や税額控除を含む)を一本化し、失業扶助・住宅扶助・障害者扶助・児童扶助などを一括した単一の月次支給として設計されています。
日本版の具体的な制度内容や実施時期については、今後の政策議論の進展を注視する必要があります。現時点では構想段階であり、実際の制度実装にはまだ時間がかかると予想されます。

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