移住を考える⑥~働く世代が移住ブームの中核に

ふるさと回帰支援センターのデータによると、移住についての相談件数は、2008年の2,475件に対して、2016年には、26,426件と10倍以上になっており、関心がずいぶん高まっていることがわかります。

次に、センター利用者を年代別に推移をみると、2008年には50代、60代、70代を足すとほぼ70%でした。それが、2016年には、20代、30代、40代を足してほぼ70%と年代が逆転しています。移住希望の中心は、シニアの田舎暮らしで悠々自適生活と思いきや、今は、現役世代の移住相談の方が多くなっているわけです。

このような変化の背景には、2008年のリーマンショックがあるといわれています。経済のグローバル化が進み、徐々に日本型雇用形態が崩れ、派遣や臨時、嘱託などで働く若者が増えました。彼らの中から、安い給料で不安定なまま都会で働くより、豊かな自然の中で人間らしく暮らしたい、という人が出始めたからといわれています。

40代までの移住者が増えた事実は、支援センターのさまざまな調査結果にも現れているようです。たとえば、移住後は63%が「就労」を希望していますし、移住先を選ぶ条件では、今や「就労の場があること」が、「自然環境が良いこと」を上回っています。

また、希望移住先も、地方都市(50%)が、農村(31%)や山村(28%)を上回っています。今や、移住の目的は、「田舎暮らし」ではなく「地方暮らし」と言うべきなのかもしれません。

就労を条件に移住するとなると、果たしてそれだけの仕事が移住先にあるのかどうかが問題になってきます。支援センターには、40代以下の移住希望者のためにネットで就職先を探せるハローワークの分室が置かれています。しかし、結局は受け入れ先の熱意によって結果は違ってくるようです。

熱心な自治体は早くから移住対策を進めているから彼らの仕事を用意しないといけないとわかっています、だから地元の企業や業界団体と連携して就労対策をしています。そのへんは地方により、事情が違ってくるので一概には言えないでしょう。

センターの中期目標は「19年度で月5000人、年間6万人」の移住者を地方へ送り出そうというもの。若い現役世代がどんどん地方都市へ移住していくと、過疎化に悩む地方が活性化されることが期待できます。社会の形が変わってくる可能性もあるでしょう。

何事にも便利な都会で暮らすか、地方で自然と毎日触れ合いながら暮らすか、生き方・暮らし方は全く個人の自由で、それぞれが思うようにすればいいことですが、どちらで暮らすにしても幸せが感じられる世の中であってほしいものだと切に思います。

~つづく~

(八咫烏)

 

 

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