ゲストハウスの魅力

最近、「ゲストハウス」という言葉をよく耳にするようになった。海外を長期旅行する若者の間で人気らしく、安く泊まれるということ以外にも受け入れられるポイントがあるという。今回は、その魅力に迫ってみたい。

あるゲストハウスの朝の光景。スーツ姿の一人の男性が「行ってきます」と言って出かけて行った。就職活動中の学生だという。声をかけられたのはソファに座っていた男性。彼は香港からきた観光客で、「日本の伝統的な建物に泊まってみたかった」という。偶然ここに止まり合わせた二人なのに、昔からの知り合いのように話をしている。

ゲストハウスの概要と言えば、基本的に素泊まりで1泊3000円前後。シャワーやトイレは共用、ドミトリー(相部屋)がある。共有スペースがあり宿泊者も経営者も利用可能。門限などが比較的自由。定員10名程度から100名泊まれる大型のものまで規模はさまざまだ。現在、全国に数百軒あるという。

食事はその場で提供される場合もあるが、原則素泊まりのため近くの飲食店に行くことも多い。意気投合すれば泊り客同士で一緒に行くこともあり、そこでも新たな交流が始まる。「出身は?」「おすすめの場所は?」宿主も含めて自然と会話がはずみ情報交換の場所になる。

因みに、ゲストハウス(簡易宿所)はあくまでも「宿泊施設」であって今話題の「民泊施設」とは違う。民泊施設は「宿泊施設」ではなく「賃貸借利用施設」であり、最低7日間の宿泊が義務づけられるのに対し、ゲストハウス(簡易宿所)は1泊から利用可能である。

こうしたゲストハウスの人気が高まっていることは、以下のように、本や雑誌の出版が増えてきていることからも伺われる。
・「SOTOKOTO(ソトコト) 2016年1月号」
・「まちのゲストハウス考」
・「ゲストハウスに泊まろう (旅行ガイド」
・「全国ゲストハウスガイド (ブルーガイド)」
・「ゲストハウスガイド100 – Japan Hostel & Guesthouse Guide」
・「日本てくてくゲストハウスめぐり (地球の歩き方コミックエッセイ)」

出会いは偶然かもしれないが、その偶然の出会いの確率を上げているのがゲストハウスといえる。さらに、ゲストハウスでの宿泊を経験した人がその魅力に気付き、経営を目指す人も増えているという。

現在ゲストハウスを運営している人に、開業の動機や日常の様子をインタビューしたものによると、自分が利用したときに見知らぬ人と出会って感じた暖かいものに魅かれて自分もやりたいと思ったという。

地方の場合は、空き家になった古民家を改装してゲストハウスとして利用している例がある。昔は、若者はみんな都会に憧れて一旦故郷を離れると戻らないことが多かったが、今は逆に都会生活を経験した後に地方の良さを再認識して、Uターンのみならず自分の故郷ではない地方を選んで住むというIターン、Jターンも多くなっている。

地域おこし協力隊の制度を利用した例も多く、子育てのためにわざわざ田舎を選ぶ若い世代も増えている。都会と違って豊富な自然に囲まれて、近隣の住人との接触によりその暖かさに心が癒されるといった原点回帰のような現象もある。

そして、移住した先でゲストハウスを経営しながら、宿泊客の中の移住希望者の手助けとなる場合もある。こういった動きが地方活性化の一翼を担うかもしれない。

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