ノビレチン

前回は温州みかんに豊富に含まれるβクリプトキサンチンについて書きましたが、今回も引き続き同じ柑橘系の話です。「シークヮーサー」は、沖縄の名産のひとつで耳にした方も多いと思いますが、柑橘類の一種で、その歴史は古く、元々沖縄地方で自生していたといわれています。

酸っぱい果実に含まれる栄養成分で真っ先にイメージするのはビタミンCやクエン酸ですが、シークヮーサーにはそれ以外にもいろんな成分が含まれています。その中でも特に注目すべき成分があります。それは「ノビレチン」という成分です。実はこれが近年注目を集め、メディアなどを中心に話題になっているようです。

優れた成分である「ノビレチン」は、柑橘系の果実に多く含まれるポリフェノールの一種。シークヮーサーに含まれている「ノビレチン」の含有量はカボスの3倍、温州みかんの11倍、グレープフルーツと比較した場合267倍と群を抜いて多く含まれています。

ノビレチンにはどのような効果効能があるのでしょうか? シークヮーサーの主な栄養成分である「ノビレチン」は、東北大学をはじめ様々な機関で研究され、効果が学会などで発表されています。

ノビレチンがもつ多くの栄養・健康効果
血圧上昇抑制
血糖値上昇抑制
動脈硬化予防
脂質代謝改善効果
ニキビ予防(細胞外基質分解酵素抑制・皮脂生成抑制・抗炎症作用)
新陳代謝促進・血液循環促進
ターンオーバー促進
紫外線による皮膚炎症抑制
アルツハイマー病等認知症、記憶障害改善(脳内βアミロイドの蓄積抑制作用)
リウマチ、関節症の改善
ガン細胞の増殖抑制効果
コレステロール値低下
ノビレチン含有量
食品(食べ物) ノビレチン含有量(mg/100g)
シークワーサー 267
ポンカン 127
カボス 89
みかん(温州みかん) 24

シークヮーサーは、沖縄では各家庭の庭先などに食用を兼ねて防風林として植えられることも多く、昔からなじみの深い果物です。また日本固有の原種で、今もほとんど品種改良をしておらず昔のまま。いわば現代のさまざまな柑橘の祖ともいえる存在です。最大の産地は沖縄県北部の「やんばる」と呼ばれる地域の大宜味村で日本での収穫70%を占めています。

尚、シークワサーからノビレチンを摂り入れる場合、
・ノビレチンは、熟する前の若い時期(青切り)のものに多く含まれている。
・ノビレチンは皮の部分に多く含まれている。
という点に注意するとより高い効果を得るヒントになると思います。

琉球王朝時代から沖縄の日常になじみの深い土着の果物シークヮーサーですが、今は全国のスーパーでも手に入れることが容易になりました。さまざまな健康効果を期待できるシークワーサーを日常食として取り入れていくこともいいのではと思う次第です。

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