伊勢街道めぐり旅 6.~六軒

六軒は、伊勢街道沿いに位置する歴史的な土地で、かつては旅人や参拝者が行き交う重要な宿場町の一つだった。この地域には、幕府の測量記録にも登場する「六軒茶屋」や、旅人の道しるべとなる道標が設置されていた。

歴史的背景
六軒茶屋の名は、6軒の茶屋があったことに由来する。ここでは旅人が食事をとり、休憩しながら次の目的地へ向かった。特に、伊勢参宮の道中では重要な休憩地点となり、参宮人の交流の場としても活用されていた。

道標には「右いせみち 六軒茶屋」などの刻印があり、伊勢参りの旅人にとって重要な目印となっていた。また、六軒には高札場があり、幕府の法令や通達が掲示されていたことから、地域の行政的な役割も果たしていたと考えられる。

文化的な側面
文化的な側面では、六軒には江戸時代から続く宿屋が複数存在し、旅人の交流の場となっていた。明治時代には宿屋が8軒あり、1か月間で8000人以上が宿泊するほどの賑わいを見せていた。また、地域の信仰の中心として「小松神社」があり、村の守護神として祀られていた。

伊勢音頭に、「明日はお立ちか、お名残り惜しや、六軒茶屋まで送りましょう。」と謳われたように、伊勢街道の歴史を物語る貴重な場所としてその名が地名として残っている。その家並みには旅人の往来が盛んだった時代の面影が感じられる。

初瀬街道との分岐点である三渡橋のたもとに立つ道標には、「いがごへ追分」「右いせみち」「やまとめぐりかうや道」と刻まれている。

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日永の追分 四日市市追分 東海道と伊勢街道の分岐点
神戸の見附 鈴鹿市19 参宮の旅人を監視する番所
白子港 鈴鹿市白子町 江戸に向かう伊勢湾最大の港
江戸橋 津市栗真町屋町~上浜町 江戸に向かう藩主の見送り
津観音 津市塔世~本町 日本三観音の一つ
六軒 松坂市中道町~市場庄町 初瀬街道分岐点

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