伊勢街道めぐり旅 3.~神戸の見附

3.神戸の見附

宿場町に設置された番所や土塁は「見附」と呼ばれていた。江戸側の入り口が「江戸方見附」、京・大坂側が「上方見附」などと呼称されたようだ。

見附と聞くと、赤坂見附や四谷見附といった地名が有名だが、これは江戸城を守るための城門のこと。 もともとは見張りの番兵を置いた軍事施設であり、江戸城の外堀に沿って多数の見附が配置されていた。

神戸の見附は、三重県鈴鹿市にあり、伊勢街道神戸宿の入口にあたる重要な地点だ。ここにはかつて番所が設けられ、参宮のために旅をする人々を監視していた。夜間には木戸を閉じて通行を制限し、町の治安を守る役割を果たしていたそうだ。

また、戦国時代には神戸具盛がこの地に城を築き、伊勢街道を城下に通すことで町の繁栄を図ったそうな。後に織田信長と和睦し、信長の三男・信孝を養子として迎えたことで、城下町の発展が進んだとされている。

現在も、街道の両側には石垣や土塁が残っており、歴史の面影を感じることができる。伊勢街道を知るためには欠かせないスポットだろう。

さて、伊勢街道はグルメ街道でもあると聞く。旅のもうひとつの楽しみはグルメだ。さっそくご当地グルメということで、まずは神戸宿名物「立石餅」。立石とは石を立てたもの、つまり道標のことらしい。なるほど少し細長い餅を縦に持つと道標に見える。

「餅街道」とも呼ばれる伊勢街道には、他にも「お福餅」「なが餅」「安永餅」「けいらん」「へんば餅」「赤福餅」「二軒茶屋餅」など宿場ごとに名物餅がある。伊勢街道に何故名物餅が多いのだろうか?鈴鹿を中心としたこの地域一帯は米どころだったことが理由だ。そしてこの餅ともうひとつの名物・伊勢茶は、長旅で疲れた人々を大いに癒したのだ。

日永の追分 四日市市追分 東海道と伊勢街道の分岐点
神戸の見附 鈴鹿市19 参宮の旅人を監視する番所

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