ヤタガラスのお気楽闘病記18 病院食でダイエット

一般的に、病院食に美味しいものなど期待できない。何故なら、味覚のうちの重要な要素の一つである塩分が極端に抑えられているからである。人が美味しいと感じる料理は大抵の場合濃い味だ。だから、町のレストランでも居酒屋でもおよそ食べる処では、程度の差こそあれ濃い目の味になっている。その店の味をはっきりと感じられるように。

そんな濃い目の味に慣らされた御仁がたまに薄味が特徴の京料理に出会ったりすると、やはり名店の料理は違うなどと評価する。この場合は塩分ではなくだしを効かせるなど他の方法でうま味を出しているのだ。

我が家ではもう何十年も薄味で通しており、塩の使用量は非常に少ない。例えば、COOKPADのレシピを参考にして作る場合でも、まず塩を半分の量にしている。これは、私自身が若いときから高血圧症で塩分の控えめにするように医師からずっといわれてきたからだ。

中学校に上がると野球部に入り、甲子園を目指して猛練習に耐えていた矢先健康診断で同僚8人と一緒に急性腎臓病と診断された。激しい練習に体力がついていけずネフローゼにもなった。その後運動は禁止され修学旅行は静脈注射を打ってもらって何とか行けた思い出がある。

さて、入院して、手術後最初に食べたのは、お粥でそれが1週間続いた。料理の明細には粥飯390gとある。カロリーは1食2000kcalと計算されている。特Aランクの高級米ならいざ知らず美味しいはずがない。おかずはよくある野菜の煮付けが中心だ。思った通り非常に薄味で、慎重に塩分を控えめにしてある。これはこれで病院の患者に対する配慮なのだからしかたがない。ホテルに泊まっているわけではないのだ。それでも毎日3食のことなのでいろいろと工夫して魚をはさんだり振りかけをつけたり、汁物や果物にも変化をつけているが、美味しさからはほと遠い。

2週目からはそれが米飯200gに代わった。私は2週間、毎日、朝昼晩の3食、そんな料理をすべて完食した。写真にあるように、ごはんの一粒も残さずにだ。小さいころ、農家の出だった父親が、お百姓さんのおかげでコメが食べられるんだといつも言っていた。残すなどもってのほかと叱られて以来、よほどのことがない限り出されたものは完食する癖がついている。しかも食欲があったのだ。内臓の手術などでは、食欲が出ず食べられるようになるまで時間がかかるものだが、外科手術だったので胃袋はなんとも健康だったのだ。

退院後はいつもの我が家の料理に戻ったが、ふと思い立って体重を測ってみた。すると丁度2キロ痩せていた。食事のプロによってきっちりとカロリー計算されていたこととおやつなどの間食を一切摂らなかったことが大きい。2週間の入院で、家ではなかなかできないダイエットに成功したのだ!悪くない結果だ。下手すると命にかかわる病気で入院手術をしておいて、こんなことを言うと何と暢気なことと言いわれるかもしれません。

P.S.【報告】
退院後、3時のおやつを毎日2時前に食べて体重はしっかり戻りつつあります。現在、69キロ。1キロ戻りました!

ヤタラガラス

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です